「アメ車は維持費が高い」、そんなイメージを持つ人は多いはず。
アメリカへの憧れがあっても、維持費が高いせいで購入をためらってしまう人も多いことでしょう。
はたして、アメ車の維持費はどれくらい高いのでしょうか?
日本車や欧州車と比べた場合のメリットとデメリットについて検証してみました。
アメ車のガソリンにかかる維持費は、どれくらい?
まず、アメ車のガソリンにかかる維持費がどれくらいなのかを、検証します。
車種は、2018年1月時点で正規輸入されている中から、実燃費のデータがあるものをピックアップしました。
走行距離は年間1万kmと仮定し、ガソリン価格はレギュラーが140円/L、ハイオクが150円/Lとします。
アメ車の各車種の1年間あたりのガソリン代は、以下のとおりになります。
車種およびグレード名 | 実燃費 | 使用ガソリン | 年間ガソリン代 |
---|---|---|---|
キャデラック・エスカレード プレミアム/プラチナム |
3.9km/L | ハイオク | 384,615円 |
ジープ・レネゲード トレイルホーク |
8.6km/L | レギュラー | 162,791円 |
ジープ・ラングラー サハラ |
6.3km/L | レギュラー | 222,222円 |
ジープ・チェロキー トレイルホーク/リミテッド |
7.1km/L | レギュラー | 197,183円 |
ジープ・ラングラー アンリミテッド スポーツ/サハラ |
5.7km/L | レギュラー | 245,614円 |
ジープ・グランドチェロキー ラレード/リミテッド/サミット |
6.7km/L | レギュラー | 218,750円 |
ジープ・グランドチェロキー SRT8 |
5.1km/L | ハイオク | 294,118円 |
以上のように、すべてSUVで、かつほとんどがジープの車種になってしまいましたが、実燃費は全車が一桁代に留まっています。
年間のガソリン代は、1万km走行する場合ほとんどの車種が20万円を超えるので、かなりの負担です。
計算でガソリン代を高めに設定しているせいもありますが、国産のエコカーに比べると燃費負担はかなり大きくなります。
アメ車の税金にかかる維持費は、どれくらい?
次に、アメ車の税金関連の維持費がどれくらかかるのかを、検証します。
アメ車の自動車税額はいくら?
おさらいですが、自動車税は毎年4月1日時点の所有者に支払う義務があります。つまり、毎年発生するのが自動車税です。
ここではアメ車の自動車税の金額を検証してみましょう。
自家用乗用車の自動車税額は、排気量によって10の区分に分かれています。
現在正規輸入されているアメ車の自動車税額は、以下のとおりになります。
車種およびグレード名 | 排気量(L) | 自動車税額(円) |
---|---|---|
キャデラック・ATSセダン ラグジュアリー/プレミアム | 2.0L | 39,500円 |
キャデラック・ATS-V | 3.6L | 66,500円 |
キャデラック・CTS-V | 6.2L | 111,000円 |
キャデラック・XT5クロスオーバー | 3.6L | 66,500円 |
キャデラック・エスカレード | 6.2L | 111,000円 |
シボレー・キャプティバ | 2.4L | 45,000円 |
シボレー・カマロ LT RS/コンバーチブル | 2.0L | 39,500円 |
シボレー・カマロ SS | 6.2L | 111,000円 |
シボレー・コルベット | 6.2L | 111,000円 |
ジープ・レネゲード | 2.4L | 45,000円 |
ジープ・コンパス | 2.4L | 45,000円 |
ジープ・ラングラー | 3.6L | 66,500円 |
ジープ・チェロキー | 3.2L | 58,000 |
ジープ・グランドチェロキー | 3.6L | 66,500円 |
ジープ・グランドチェロキー SRT8 | 6.4L | 111,000円 |
以上のように、排気量が大きい車種・グレードが多いうえ、エコカー減税の対象になる車種・グレードもありません。よって、自動車税額は全般的に高額になっています。
冷静に考えてみると、自動車税に年間111,000円も払うとか個人的には考えられません。
軽自動車なら10,800円で済むのに…とか考えてしまいます。アメ車の圧倒的な存在感は大好きなんですけどね。
アメ車の自動車重量税額はいくら?
続いて、新車購入時や車検のときに課せられる、自動車重量税の金額を検証してみましょう。
自家用乗用車の自動車重量税額は、車両重量によって6の区分に分かれています。
現在正規輸入されているアメ車の税額(車検有効期間3年の場合)は、以下のとおりになります。
車種およびグレード名 | 車両重量区分(トン) | 自動車重量税額(円) |
---|---|---|
キャデラック・ATSセダン ラグジュアリー/プレミアム | ~2トン | 49,200円 |
キャデラック・ATS-V | ~2トン | 49,200円 |
キャデラック・ATSクーペ | ~2トン | 49,200円 |
キャデラック・CTS | ~2トン | 49,200円 |
キャデラック・CTS-V | ~2トン | 49,200円 |
キャデラック・CT6 | ~2トン | 49,200円 |
キャデラック・XT5クロスオーバー ラグジュアリー/プレミアム | ~2トン | 49,200円 |
キャデラック・エスカレード プレミアム/プラチナム | ~3トン | 73,800円 |
シボレー・キャプティバ/キャプティバ ラグジュアリー | ~2トン | 49,200円 |
シボレー・カマロ LT RS/コンバーチブル/SS | ~2トン | 49,200円 |
シボレー・コルベット Z51/グランスポーツ/Z06 | ~2トン | 49,200円 |
ジープ・レネゲード ロンジチュード/リミテッド | ~1.5トン | 36,900円 |
ジープ・レネゲード トレイルホーク | ~2トン | 49,200円 |
ジープ・コンパス スポーツ/ロンジチュード/リミテッド | ~2トン | 49,200円 |
ジープ・ラングラー サハラ | ~2トン | 49,200円 |
ジープ・ラングラー アンリミテッド スポーツ/アンリミテッド サハラ | ~2.5トン | 61,500円 |
ジープ・チェロキー トレイルホーク/リミテッド | ~2トン | 49,200円 |
ジープ・グランドチェロキー ラレード/リミテッド/サミット/SRT8 | ~2.5トン | 61,500円 |
以上のように、車両重量区分が重い部類に入る車種・グレードが多いことがわかります。
そのため、エコカー減税の対象になる車種・グレードもないため、自動車税額は全般的に高額になっています。
アメ車の保険料は、どれくらいかかる?
続いて、アメ車の保険関連の維持費がどれくらいかかるのかを、検証します。
まず、加入が義務付けられている自賠責保険料は、37か月分の場合は36,780円で、国産車と違いはありません。
一方、任意保険料に関しては、保険会社や車種によってまちまちなほか、加入者の年齢、等級、保障の内容などによってもまったく違ってきます。
したがって、保険料がいくらかかる、という正確な計算はできません。あくまでも条件によって異なります。
具体的な保険料は、保険会社などの見積もりサイトで確認してみることをおすすめします。
アメ車の消耗品交換に必要な維持費は、どれくらい?
次に、アメ車の消耗品交換に必要な維持費がどれくらいなのかを検証します。
おもな消耗品には、オイルやオイルエレメント、バッテリー、タイヤなどがあります。
まず、最も交換回数が多いオイル交換の費用に関してですが、アメ車の場合は1万~1万5,000円ほどが相場になっています。国産車の場合と比べると、2~3倍も高額です。
また、車体サイズの大きいアメ車は、容量の大きいバッテリーを積んでいたり、太いタイヤを履いていたりするので、交換費用がかさみます。
それ以外の消耗品の交換費用も、総じて国産車よりも高くなっています。
日本車や欧州車と比べた場合、アメ車にメリットはあるのか?
最後にアメ車の維持費を日本車や欧州車と比べた場合のメリットとデメリットについて、検証します。
コンパクトカーがないアメ車は全般的に燃費が高い
まず、ガソリン代についてですが、日本車や欧州車のような小排気量のコンパクトカーがアメ車には存在しません。
これはアメリカの広い道路環境が影響しているからです。小さい車をつくる必要性がないのですね。
そのため、アメ車は平均的に燃費が悪く、ガソリン代もかさむ傾向があります。
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排気量が多く、車体が重いアメ車は税金も高い
さきほど説明したとおり、排気量が大きいため自動車税は高くなります。
重量も重くなりがちで、エコカー減税の対象にもならないアメ車は、平均的に日本車や欧州車よりも高額です。
アメ車の保険料は特に高くない
自賠責保険料はどの車種も一律なので、優劣はありません。一方、任意保険のうち対人・対物保険料に関しては、特にアメ車だけが高いとか安いとかいった傾向はありません。
しかし、車両保険料に関しては、国産車と比べると車両価格が高めになっているので、高額になります。
そして、消耗品の交換費用は、国産車よりは割高ですが、欧州車と比べれば大きな差はありません。
高い維持費を払ってでもアメ車に乗りたいかどうか
アメ車の維持費について総括すると、日本車に対してはデメリットばかりが目に付き、メリットはありません。
欧州車に対しても、アメ車のデメリットが目立ちます。やはり「アメ車=維持費が高い」というイメージどおりの検証結果となりました。
しかし、アメ車には日本車や欧州車にはない押し出しの効いたデザインが魅力ですし、維持費以外の面でのメリットがあります。
その魅力に取りつかれた人は、維持費がかさむことなど気にならないはずです。