車の買取契約後に起こる解約トラブルは増加の傾向にあります。
車の売却をキャンセルしたい場合に買取業者から解約料を請求されるケースがあります。
解約トラブルを避けるためにはどうすればいいのでしょうか?
車の売買契約後の解約条件を理解し、トラブルを避けるためのポイントをおさえておきましょう。
【結論】業者に損害がなければキャンセルできる可能性はある
最初に結論をお伝えすると、車の売買は業者側に損害が出ていなければキャンセルできる可能性があります。
そして、業者に損害が出ていたとしても、あなたがキャンセル料を払えばキャンセルできる可能性があります。
キャンセルができるかどうか、そしてキャンセル料については契約書に書かれているはずなので、業者に連絡するまえに必ずチェックしておきましょう。
ガリバーやビッグモーターなどの大手買取業者は、契約書に解約についての取り決めが書かれているはずです。
契約書が手元にない人は、早めに業者に連絡を入れて確認します。
というのも、車を引き渡したあとに業者がオークション出品や新しい買い手との手続きを進めてしまうと、キャンセル料が高くなったり、最悪の場合にはキャンセルができなくなってしまうからです。
車の契約はどの時点で成立するの?
まず基本的な知識として、車の売買契約がどの時点で成立するのかについて知っておく必要があります。
消費生活センターによれば、現金や分割払いの購入で車の契約が成立する時期は以下のようになっています。
- [1] 登録された日(ナンバープレート取得日)
- [2] 購入者の注文によって改造や修理が着手された日
- [3] 納車した日
- → 上記3つのいずれか早い日
これらのいずれか1つでも要件を満たしていると、契約は成立したことになります。
そのため契約内容にもよりますが、買取契約後の解約はできる可能性があります。
車と車の書類を渡してしまうとキャンセルができないと考える人も多いようですが、引き渡し後でもまだ解約をあきらめる必要はありません。
こちらの都合で買取をキャンセルすることはできる?
もし車を売ってしまったあとに買取業者との契約をキャンセルしたい場合、契約を解除することは可能なのでしょうか?
それは買取業者との契約内容によって変わってきます。契約には以下の3つの種類があります。
- ・約定解除
- ・合意解除
- ・法定解除
【約定解除】解約できる条件を決めておく契約
1つ目の「約定解除」とは、車を買い取ってもらうときにあらかじめ「解約できる条件」を決めておく契約のことです。
買取業者との間で「解約をしたい場合はキャンセル料を支払います」といった契約を結ぶのが基本です。
したがって、契約のときに条件を決めている場合は、キャンセル料を払えば車の買取契約を解約することが可能です。
契約するときに、解約するときの条件を確認しておくことが重要です。
合意解除:お互いが合意すれば解約できる契約
2つ目の「合意解除」とは、車の売り手と買い手が合意すれば解約をすることができる契約です。
この場合は買取店に解約に合意する義務はありません。買い取った業者が「解約できません」といえばそれまでです。
しかし、この場合でも1つ目のケースと同じようにキャンセル料を払えば解約をすることができる可能性があります。
法定解除:契約の義務を果たさない時に解除できる契約
3つ目の「法定解除」とは、契約内容を早く実現してくださいと要求(催告)をしても、契約内容を果たさないとき相手方が契約を解除することです。
この法定解除契約は車の買取で結ばれることはないと思われますが、場合によってはこうした手段を取ることも可能です。
契約時に解約の条件をしっかり確認すること
契約を結ぶときは、契約書に以上3つのいずれかの内容で解約について取り決めた文章があるはずです。
車の買取契約書を記入するときに、きちんと解約の条件を確認しましょう。
とはいえ、車の買取契約書を書くときは気持ちが焦っているときが多いものですし、契約書は文字が小さく読みづらいことがほとんどです。
さらに、買取業者を目の前にして記入することもあるでしょう。じっくり契約内容を確認するヒマもないかもしれません。
しかし、買取契約後の解約に関するトラブルは非常に多いのが現状です。あとで苦労しないためにも、契約書の内容にはきちんと目を通しておきましょう。
ちなみに車の買取契約はクーリングオフは適用されません。
これは、車の売買はきちんと考えて行われたと一般的に考えられるためです。
車の買取トラブルが起きないようにするには、業者選びを失敗しないことが大切。
複数の買取店を比較すれば、買取契約のトラブルは起きにくくなります。
無料でキャンセルができる可能性があるケース
車を売ってしまったあとでも、キャンセル料なしで車を返却してもらえる場合があります。
それは、車買取店側に実損が発生していない場合です。つまり、相手に損害がなければ車の売却は無料でキャンセルできる可能性があります。
車買取店に損害が発生しない段階とは、車も必要書類も引き渡していないケースです。
つまり、純粋に契約書を交わしただけであれば、無料でキャンセルできる可能性があります。あくまでも紙でやりとりしただけなので、買取店に損害は発生していないですからね。
車も書類も引き渡したあとのキャンセル可否はケースバイケース
契約書を交わして、車も書類も業者に渡してしまったあとはどうでしょうか?
この場合、キャンセルできるかはケースバイケースです。
車も書類も渡したあとであっても、すぐにキャンセルの申し出をすれば業者に大きな損害が発生したとは考えられないため、契約を解除できる可能性があります。
ただし、車を陸送(レッカー車や自走)で運んだりしている場合には、そこにかかる陸送費を業者から請求されることがあります。
いずれにしても、車と書類を引き渡したあとでもキャンセルできる可能性はあるので、早めに連絡を入れることが重要です。
なぜキャンセル料を払わなきゃいけないのか?
ここまで説明したとおり、基本的にはキャンセル料を払えば車の売買契約を解除できるのが基本です。
なぜキャンセル料が必要なのか?これは、キャンセルによって相手に与えた損害をカバーする目的があります。
あなたが車を売ったあと、車買取業者にはどんなコスト(費用)が発生するかを考えてみましょう。たとえば、以下のような費用があります。
- ・査定や車の引き取りにかかる人件費
- ・名義変更にかかる人件費
- ・陸送費
- ・車内の清掃およびクリーニング費
- ・オークションへ出品にかかる人件費および出品費
車の売却契約をしても、車と必要書類が手元にあればキャンセル費用なしで契約解除できる可能性があります。
一方で、車を引き渡したあとに、業者の手続きがどれくらい進んでいるかによってキャンセル料の有無・高低は変わる可能性が高いです。
業者が次のオークション出品への手続きを進めていたり、次の買い手が見つかっている場合にはキャンセル料が高くなるか、そもそもキャンセルができないことも多いのです。
高額なキャンセル料を払えば契約を解除できるというケースもありますが、なかには不当なキャンセル料を請求してくる業者もいるので注意しましょう。
車の売却キャンセルが難しいケースは3つある
車の売却キャンセルが事実上ほぼ無理(むずかしい)というケースもあります。
- ① 次の買い手がすでに見つかっている
- ② すでに業者間のオークションに出品している
- ③ 解約期間を過ぎている
① 次の買い手がすでに見つかっている
あなたが車を売ったあと、業者はその車をオークションに出すか、そのまま店頭で販売をします。
そうなると、他のお客さんがいつでも車を買える状態になるので、買い手がいつ付いてもおかしくありません。
実際に次の買い手がついてしまうと、キャンセルはむずかしいでしょう。
なぜなら、せっかく新しい買い手がついたのに「売却をキャンセルしたい」と言われてしまうと、業者がそこまでかけた費用(店舗の営業費用や人件費)が丸々ムダになってしまうからです。
さらに、次の買い手であるお客さんからしてみたら「急に売れないなんて、この業者は信用できない」という悪い印象を抱かせてしまい、業者にとっても大きなマイナスになってしまいます。
こうした理由から、次の買い手が決まってしまっていたらキャンセルは不可能に近いでしょう。
② すでに業者間のオークションに出品している
最初に説明したとおり、あなたから買い取った車は業者が参加するオートオークションに出品されます。
オークションに出品するには、そこまで車を運ぶための陸送費、オークションへの出品費用、さらには人件費もかかっています。
そのため、すでにオークションへの出品が済んでいる場合、売却のキャンセルはむずかしいのが現実です。
③ 解約期間を過ぎている
車の売買契約書には契約解除について書かれているはずです。そこに「契約後◯◯日間はキャンセルできるものとする」と書かれていることがあります。
車の売買において、契約書の内容は最優先されるので、契約書に書かれているキャンセル可能な日数内であれば契約を解除できる可能性があります。
一方で、キャンセル可能期間を過ぎていたら、問答無用でキャンセルができないことがほとんどです。
買取契約を解約したいときに必要な手続きは?
車の買取を解約できるかどうかは、あなたが売却した車がいまどんな状況に置かれているか?によっても変わってきます。
車買取店によっては、買い取った車をすぐにオークションへ出品してしまうこともあります。その場合、すでに買取店の手元に車はないためキャンセルが不可になる可能性は高いでしょう。
ですが、車を業者に引き渡してから翌日〜翌々日であれば、まだ無償キャンセルできる可能性は大いにあります。
すでにオークション出品の手続きに入っていたりすると、キャンセル料が発生したり、キャンセルが不可になる可能性もあります。
こればかりは業者ごとに対応が異なります。もし解約をしたいのであれば、早急に車を売ったお店で電話連絡しましょう。
「他社は高く売れるからキャンセルしたい」をなくすために
車の買取をキャンセルしたい理由はさまざまですが「他社の買取額のほうが高かったから」というケースも少なくありません。
つまり、ある業者と車の売買契約を交わしたけど、他の業者に査定してもらったらもっと高く売れたというケースですね。
こうした損を避けるためには、最初に査定を受ける段階で複数の車買取店を”まとめて”比較することが有効です。
1店舗ずつ査定を受けていると、時間と手間もかかりますし、査定結果がわかるのに時間がかかります。
しかし、ネットの無料一括査定を使うと、1回の申し込みで最大10社の見積もりをまとめてチェックすることができます。
私は車を売るときに、必ずナビクル車査定を使っているのですが、これを使うようにしてから「他社のほうが高かった」という後悔に悩まされることがなくなりました。
一括査定を使っておけばキャンセルで悩むリスクも減りますから、車を売るときは必ず試してみて欲しいと思います。
ナビクルは査定後でもキャンセルできる
ナビクルは、申し込みをして業者に査定してもらったあとでもキャンセルができます。
これは当然といえば当然ですが、査定をしてもらったからといって必ず売らなければいけないわけではありません。
そして、申し込みをしたあとに「やっぱり査定をしてもらうのをキャンセルしたい」というのもOKです。

ただし、その場合には査定のアポを取った業者に断りの連絡を入れましょう。
いずれにしても、ナビクルはキャンセルについてはわりと柔軟なので安心して利用できると思います。