車を買い替える1つの目安となる走行距離については、さまざまな意見があります。
車に寿命があるとしたら、いったいどれくらいの走行距離が限界なのでしょうか?
- 「なにを基準に車を買い替えたらいい?」
- 「いまの車をこのまま乗り続けるか悩んでいる」
そんな方に知っておいてもらいたい、車の限界と走行距離について解説します。
一般的な車の走行距離は何万キロ?
車の限界はほとんどが走行距離によって決まってきます。
日本の中古車買取市場では一般的に車の走行距離「10万キロ」を超えると車は限界となり、価値はゼロに等しくなります。
多くの車買取店や下取りでも、値段がつかない車として扱われます。
また、中古車市場では「1年=1万キロ」というのが1つの目安です。
つまり、たとえば「5年乗って3万キロ」ならまだまだ乗れる車ですが、「3年乗って5万キロ」となると”走行距離が多い車”と認識されます。
もし車の買い替えを考えているのであれば、10万キロを超える前に新しい車を見つけるというのが賢い選択といえるでしょう。そのほうが車が高く売れやすいので、買い替えコストが安くつきます。
また、車の買い替えにおけるリセールバリューを高く保ちたいのであれば、1年間で1万キロを超えないようにすることも重要です。
「せっかく買った車をなるべく使わないようにする」というのは本末転倒な気もしますが、車を使わなくて良い場面(たとえば徒歩で行ける場所への移動)では、なるべく車を使わないというのもリセールバリューの向上につながります。

「走行距離10万キロが寿命」と考えるのは実態にそぐわない
たしかに、日本の中古車市場では10万キロを超えると価値がない車として扱われます。
しかし、10万キロを超えた車がすべて限界を迎えているかといえば、決してそんなことはありません。
実際、10万キロを超えて、走行距離が20〜30万キロを超える車はたくさんあります。
たとえばドイツでは走行距離が10万キロを超える車が当たり前で、親子間で同じ車を受け継ぐことも多いため、20〜30万キロを平気で超えてきます。
つまり、10万キロを超えた車がすべてダメなわけではありません。メンテナンスさえしっかり行っていれば、きちんと走る車はたくさんあるのです。というより、最近の車は故障しにくいので、よほど荒い乗り方をしていなければ10万キロくらいは余裕で走ります。
にもかかわらず、なぜ10万キロが寿命の目安になっているのか?明確な理由はわかっていません。
ただ、一昔前の車は10万キロを超えるとガタが来て乗れなくなることが多く、その考え方が現在まで根強く残っているのが要因の1つといえるでしょう。つまり、車の寿命が短いころの常識の名残りが現在まで続いているということです。
いまの車は寿命も伸びているのですが、10万キロ神話はなかなか消えないんですね。
走行距離が少なければいいとは限らない
車の走行距離が少なければ、そのぶんだけ中古車市場では高く評価される傾向があります。
しかし、運転する環境によっては逆に走行距離の少ないことが車の不調を引き起こすことも考えられます。
たとえば、雪が降る地域。外気温が低い場所でエンジンをかける頻度が少ないと車へのダメージは大きくなります。この場合、走行距離が少ないから寿命が長い、とは言えません。
また、「1年=1万キロ」のペースで車を運転していた場合でも、その運転の仕方によって車の状態は変わってきます。

運転の仕方で車の寿命は大きく変わってくる
車の乗り方は人それぞれです。どんな目的で車を使うかによって、運転の仕方や「1回ごとの走行距離」もちがってきます。
たとえば、同じ「1年=1万キロ」であっても、乗り方によって2つのケースに分けることができます。
- ・土日だけの運転で長距離移動がメイン
- ・近所のコンビニへの運転(近距離)がメイン
長距離運転が多い車は負担が少ない
車のエンジンは1回の運転でなるべく長距離乗ったほうが負担が少ないと言われています。頻繁にスタート・ストップを繰り返すのは、車にとって良くないからです。
また、1回あたりに短い距離を走るよりも長い距離を走った方が平均して燃費が良くなります。
高速道路と市街地を同じ距離(たとえば10km)走ったとしても、燃費が良いのは高速道路です。
ですから、同じ走行距離の車が2台あった場合、長距離走行の多い車のほうがエンジンなどの状態は良好である可能性が高いでしょう。
走行距離が多くても、1回あたりの運転で乗る距離が長い場合は寿命が長くなるわけですね。
たとえば、土日(休日)しか車を運転しない人で、遠くへドライブする人が多い人。あるいは毎日の通勤で長距離運転をする人。こうした使い方をした車は、短距離運転を繰り返した車よりエンジンのダメージは軽いと言えるでしょう。
短い距離でエンジンの始動・停止が多いと寿命は短くなる
車の好調・不調を決めるのは、なんといってもエンジンです。
エンジンが冷たいままスタートし、完全に温まる前にエンジンを停止する。これはエンジンにとって良くないため、車の寿命が短くなります。
たとえば家の近くのコンビニに車で買い物に行くのは、じつは車にとって良くありません。
短距離運転も何度も繰り返すのは、車にとって負担になります。
車の寿命を伸ばすためには、短距離運転を減らすこと
運転の仕方、さらにいえば1回あたりの運転で走る距離によって、車の寿命は変わってきます。
車を使った近距離の移動はなるべく避けること、急発進・急ブレーキは避けること。そして日頃から車のメンテンナスをすることが肝心です。
こうした意識を持てば、車を長く乗ることができます。また、手放すときの車の査定額が高くなり、買い替えはよりお得なものになります。
車がそろそろ寿命かな?と疑うべきタイミング
走行距離は車の限界を知るための目安になりますが、それ以外にも車の寿命を考えるキッカケはあります。
- 車の寿命を疑うべきタイミング
- ・車検代が高くなった
- ・車が動かなくなった
- ・部品交換や修理代が高くつくようになった
- ・燃費が悪い
- ・エアコンをかけると異音がする
- ・ブレーキの効きが悪くなる
- ・ちがう車が欲しくなる
車検を前にして、寿命を意識する人が多い
車の寿命や限界について考える大きなキッカケとなるのが「車検」です。
車を長く乗っていると「これだけ高いお金をかけて車検に出すのはもったいないのでは?」と考えるようになります。
車に異常がなければ、2年に1回の車検は最低限の料金で済みます。しかし、不具合が生じればその分だけ車検代も高くなります。
なぜなら、エンジンに不調があれば修理代は高額になりますし、ブレーキやエンジンの修理代もバカにならないからです。細かいところだと、エアコンのフィルターやオイルの交換などもそれなりの”痛い”出費になります。
こうしたことをキッカケにして車に「限界」を感じたり、買い替えを意識する人は非常に多いです。
ただし、本当に限界を迎えているかどうかは、きちんと整備士に確認を取ったうえで「高い費用を払ってまでこの車を維持したいかどうか?」を天秤にかけて判断しましょう。
ちなみに、車検費用を安く抑えたいのであれば、ディーラー車検は避けることです。とことん節約したい人は、ユーザー車検(自分で車を運輸局に持ち込んで車検を受けること)にチャレンジしてみるのもおすすめ。
車の修理代が高くなったとき
新車で買った頃は異変を感じなかったものの、長年乗ることで不調は必ず起きてきます。
その中でもブレーキの不調や、エアコンの効きが悪いと感じ始めたときに買い替えを考える人は一定数います。
調子が悪いだけならいいのですが、修理が必要になると費用がかかります。
「たとえ直したとしても、また壊れてしまうのでは?」と考えるようになったら、買い替えどきでしょう。
僕も過去に乗っていた車を何度か修理しながら乗っていましたが、さすがに「壊れすぎだろ!笑」と感じるようになって買い替えを決意しました。
実際、修理代が高くつくようであれば車は寿命の限界が来ている可能性が高いです。
車の修理が必要になるタイミングは車種や使用状態もよりますが、走行距離が3万キロを超えたあたりで一度点検を受けることをおすすめします。
新しい車が欲しいと感じたとき
車の不具合や修理費の負担とは直接関係ありませんが、純粋に「新しい車が欲しい」と感じるようになることも買い替えシグナルになります。
事実、あるアンケート調査では約3割の人が車を買い替えた理由について「いまの車に飽きてしまい、新しい車が欲しくなったから」と回答しています。
長く乗ることで愛着が湧いてくる人もいれば、反対に薄れていく人もいます。
そのまま無理に乗り続けて車の寿命を迎えてしまう前に、思い切って買い替えるというのも必要な判断なのかもしれません。
車は走行距離が短いほど査定額も高くなりますから、どこかのタイミングで必ず査定を受けてみるべきです。
寿命を迎える前に買い替えてしまったほうが、車の買い替えコストは安く済みます。
結局、なにを持って限界と判断するべき?
これまでの説明のとおり、車の寿命を判断する基準は1つではありません。
なにをもって限界とするかは、車に乗る人それぞれの目安があるからです。
もし車を少しでもお得に乗り換えたいと考えるのであれば、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- ・次の車に乗り換えるなら走行距離が「1年=1万キロ」を超えないこと
- ・運転の仕方やメンテナンスで車の価値が大きく変わる
- ・買い替えたいときが「買い替えどき」である
走行距離が「1年=1万キロ」を超えないこと
さきほど説明したように、車の走行距離は「1年=1万キロ」が1つの目安となります。
これを超えると中古車としての査定額が低くなる傾向があるため注意が必要です。
とはいえ、走行距離を無理に少なくしようとするのはストレスが溜まりますし、なにより生活が不便になります。
車ではなく徒歩や電車で移動できるのであれば車は使わないなど、できる範囲で工夫するようにしましょう。
運転の仕方やメンテナンスで車の価値が大きく変わる
いわゆる「エコ運転」と言われますが、車の運転の仕方次第で車の寿命は大きく変わってきます。
たとえ走行距離が多くても、車に負担のかかる運転をしなければ寿命は長くなるでしょう。
さらにいえば、エコ運転をすることで燃料費の節約にもなるなど、良いことづくめです。
また、エンジンオイルをこまめに交換することで車の寿命は長くなります(5,000km or 半年が交換の目安)。
買い替えたいときが「買い替えどき」である
愛着のない車を無理に長く乗り続けることは、車にとってもあなたにとっても良いことはありません。
すでに愛着がない車だと、運転や扱いが雑になりますし、乗っていても楽しくないですよね。
思い切って手放して、次の人に愛車を委ねる気持ちを持ったほうが、充実したカーライフを送れるはずです。
ただし、買い替えのタイミングによっては自動車税や車検代がムダになることもあるので注意しましょう。

もし今の車が限界だと感じたらどうすればいい?
少しでも「車を買い替えたい」と感じた瞬間、それはすでに「車の限界」が来ていると考えるべきでしょう。
それは車自体の寿命でもありますし、あなた自身の「車に対する愛着の寿命」が切れたとも言えます。
いまの車に愛着がないまま乗り続けるとメンテナンスにも気持ちが入りませんし、それは将来的に損をする可能性もはらんでいます。
さて、車を手放すときに考えられる方法は大きく分けて3つあります。
- 車を手放すときの選択肢
- 1. ディーラーの下取りに出す
- 2. 廃車にする
- 3. 中古車買取店による買取
ディーラーの下取りに出す
おそらく買い替えを検討している人にとってもっとも身近なのが下取りではないでしょうか。
新車を買うときに、一緒に車の下取り価格も出してもらえるので手間がかからないのは大きなメリットです。
下取りのデメリットは見積額が相場よりも20%〜30%低くなることです。1社のみの査定ですので、仕方がありません。
走行距離の限界を感じていても、下取りのみで決めるのは極力避けるべきです。
廃車にする
車に寿命が来ているのであれば、廃車を検討する方も多いでしょう。
「壊れたから廃車」と考えるのは自然な流れですが、リサイクル料金がかかるのでトータルではマイナスになります。
廃車同然と思われていても、買取専門店の中には数万円で見積りを出してくれることがあります。最近は古い車に対する価値観が変わりつつあるので、意外な高値で取引されることもあるくらいです。
処分に費用をかける前に、1度見積りを出してもらう価値は十分にあるでしょう。
中古車買取店による買取
ここで紹介している方法の中では最も高く買い取ってもらう事ができます。
下取りでは出来ない「複数業者による見積り」が可能で、買取額を競わせることができます。
そのため、買い替えでお得なのは間違いなく「買取」です。
特に走行距離が多い車は高く買い取ってくれる買取店を見つけることが重要になりますから、非常に効果的です。
僕は過去に下取りも一括査定による買取も経験したことがありますが、複数の業者による査定は買取額を比較してより高いほうに売ることができるので、断然お得です。
愛車の査定額を知るだけで、リスクは減らせる
このまま限界まで乗り続けるべきか。あるいは、いますぐ買い替えるべきか。これは多くの人にとって悩むポイントでしょう。
その答えのキーポイントとなるのが、いま乗っている車の価値です。
もし高く売れるのであれば、すぐに売るべきかもしれません。そうすれば、次の車の購入費用を減らせますよね。
愛車にどれくらいの価値があるのかを知ることができれば、このまま寿命まで乗り続けるか、すぐ買い替えるかは変わってくるはずです。
まずは複数社からいまの車の見積り額を出してもらいましょう。そうすれば、車の寿命に合わせた結論が出せるはずです。
早めに準備しておけば、次の買い替えで損をすることもなくなります。
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