DSはシトロエンの上位ブランドとして誕生したというのもあって、どの車種も高級感が溢れています。
今回紹介するDS3 CROSSBACK と DS7 CROSSBACK はどちらも色気が凄まじく、特に内装については「こりゃすげーわ」と感嘆せずにはいられない仕上がりです。
今回はDS3 CROSSBACK と DS7 CROSSBACKの内外装・スペック・価格・燃費について比較していきたいと思います。
【外観】DS3は遊び心満載。DS7は正統派SUV

DS3 CROSSBACK

DS3 CROSSBACK

DS3 CROSSBACK

DS3 CROSSBACK
まずはDS3 CROSSBACKの外観から。まず目につくのが、フロントライトの形状です。いわゆる楕円形とは少し趣向を変えたスタイルで、中央上部が凹んでいる珍しいデザインになっています。「負け顔」にしか見えないので個人的にはあまり好みではないのですが(笑)、どこか憎めない可愛らしさを感じられます。
DS3 CROSSBACKのフロントグリルは六角形で、中央にDSのロゴ。メッシュ状になっており、規則的で美しいスタイルです。さらに、そのフロントグリルをぐるっと囲むようにしてクロムメッキが用いられ、車の印象を一気に高みへと引き上げています。
フロントもさることながら、ボディサイドにも大きな特徴があります。それはBピラーにシャークフィン。これはDS3の伝統ともなっているデザインで、横から見たときの印象に大きなアクセントを与えてくれます。また、ボディサイドには深いキャラクターラインが彫り込まれているのも特徴的です。
リアのデザインは水平基調でテールライトは長方形に切れ込みが入ったような形状。DS3 CROSSBACKは丸みを帯びており、リアウィンドウに傾斜があります。デザイン性追求という理由があると思われますが、後方の視認性が良いとは言えないでしょう。

DS7 CROSSBACK

DS7 CROSSBACK

DS7 CROSSBACK
一方のDS7 CROSSBACKは正統派SUVのスタイル。フロントライトは水平基調となっており、わずかにキリッとリフトアップされています。形状だけみると平凡なデザインになりそうなものですが、4連のLEDライトを採用することできらびやかな印象を与えています。
スクエアなデザインが好きな自分としては、DS7 CROSSBACKの外観はドンピシャで好みです。ちょっとゴツい感じもして、頼もしい存在感があります。
DS7 CROSSBACKもフロントグリルの形状は同じ六角形。グリル周りを囲むクロムメッキが、そのままフロントライト下部に流れるようなデザインとなっており、一体感のある印象を与えてくれます。DS7 CROSSBACKはフロントバンパー上部にもクロムメッキのラインが施されており、これがDS3よりも車格を高める要因につながっています。
DS7 CROSSBACKのボディサイドに目立った特徴はなく、キャラクターラインなどもい入っていません。1本だけでもラインを入れてくれたほうが、いろいろな表情が楽しめるのになぁ〜と個人的には思います。
DS7 CROSSBACKのリアデザインも水平基調でテールライトも非常にシンプルな仕上がりです。DS3 CROSSBACKと違うのは、リアバンパーにはブレーキライトが施されているところ。なくてもいいかな?という気もしますが、安全性が高まることは間違いないはず。リアウィンドウは比較的傾斜が少なめなので、視認性はある程度確保されています。
【内装】DS3・DS7ともに抜群の完成度

DS3 CROSSBACK

DS3 CROSSBACK

DS3 CROSSBACK

DS3 CROSSBACK
DS3 CROSSBACK と DS7 CROSSBACKを語る上で特筆すべきは内装にあると僕は思っています。本当に完成度が高く、うっとりしてしまうくらい質感が素晴らしいです。
まず触れたいのがシートデザイン。DS3 CROSSBACKの公式サイトには【クルマをデザインしたのではない。 パリをデザインした。】というキャッチコピーが書かれています。正直それを見たときは「しゃらくせえ(笑)」という感じでしたが、シートデザインを見て納得。このデザインは日本車ではまずお目に書かれないし、ドイツ車でもここまで趣向を凝らしたシートというのは少ないはず。
シート中央に彫り込まれた長方形に不規則な台形が組み合わさっており、「これはもはやリビングの家具のような仕立てではないか!」と思わずにいられない仕上がり。ウォッチストラップをイメージした高級ナッパレザーシートは絶妙な陰影が表現され、本革の質感がよくわかります。
インパネについては、DS3 CROSSBACKの個性が目立ちます。特に目を引くのがダイアモンド型にレイアウトされたスイッチ&エアコン吹き出し⼝。ちょっとしたアートを飾っているような遊び心がこのクラスの車で実現されているのは嬉しい驚きです。
センタコンソールには「”クル・ド・パリ”=パリの爪」と呼ばれるピラミッドが何層にも重なったような意匠が DS3 CROSSBACKとDS7 CROSSBACKの両方で採用されています。

DS7 CROSSBACKの内装

DS7 CROSSBACKの内装

DS7 CROSSBACKの内装

DS7 CROSSBACKの内装
DS7 CROSSBACKには、ダッシュボード中央の上部にB.R.M社製高級アナログ時計が配置されていて、これまた上質で印象的。エンジンスタートボタンの上部に位置しているのもニクいですね。
ディスプレイの下には整然とボタンが並べられており、シンプルながら上品な仕上がり。ボタンが横一列に並んでいるので、非常に操作がしやすくなっております。DS3 CROSSBACKがダイヤモンド型に置かれているのとは対照的です。
全体的に派手で遊び心があるのがDS3 CROSSBACK、シンプルで上質感が強いのは DS7 CROSSBACKという感じでしょうか。DS7 CROSSBACKのほうが価格が高い上位車種なので当然の帰結ではありますが、どちらも質感が非常に良いので迷うところです。
【安全性能】どちらも優秀で性能が高い

DS3クロスバック

DS7クロスバック
安全性能については、DS3 CROSSBACK と DS7 CROSSBACK でそこまで大きな差はありません。
まず、どちらの車種にも自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)が採用されています。「作動範囲は約5〜140km/h。約80km/h以下では停⽌⾞両、約60km/h以下では歩⾏者を検知」という条件は両車種とも同じです。
アクティブクルーズコントロールは高速道路走行時にアクセルとブレーキを自動で制御してくれます。ただし、渋滞時の停止&再発進(3秒以内に前⾛⾞が再発進した場合は⾃動で再発進)のアシストも行ってくれるのはDS3 CROSSBACKだけなので要注意。
車庫入れや縦列駐車では駐車を自動でサポートするDS パークパイロット機能が役立ちます。これはDS7 CROSSBACKのみに搭載されている機能です。
安全性能とは直接関係ありませんが、通常はドアハンドルとドアが一体化し、キーを持って近づくと、ドアハンドルが自動でポップアップするという「リトラクタブルドアハンドル」がDS3 CROSSBACKのみに採用されています。

「リトラクタブルドアハンドル」は、DS3 CROSSBACKのみに採用
総じて言えるのは、DS3 CROSSBACK と DS7 CROSSBACKはどちらも安全性能が高いということです。アクティブクルーズコントロールの差は気になるところですが、それ以外は文句なしの出来栄えだと思います。
【燃費・価格】性能と質感を考えると割安

DS3クロスバック

DS7クロスバック
DS3 CROSSBACK | 価格 | WLTCモード燃費 |
---|---|---|
BASTILLE | 4,084,000 円 | 18.2km/L |
RIVOLI | 4,425,000 円 | 18.2km/L |
OPERA | 4,730,000 円 | 18.2km/L |
PERFORMANCE Line BlueHDi 【特別仕様車】 | 4,614,000 円 | 18.2km/L |
DS7 CROSSBACK | 価格 | WLTCモード燃費 |
---|---|---|
BASTILLE BlueHDi | 5,360,000 円 | 18.8km/L |
RIVOLI | 6,263,000 円 | 14.9km/L |
RIVOLI BlueHDi | 6,469,000 円 | 18.8km/L |
OPERA | 6,887,000 円 | 14.9km/L |
OPERA BlueHDi | 7,093,000 円 | 18.8km/L |
PERFORMANCE Line BlueHDi 【特別仕様車】 | 6,274,000 円 | 18.8km/L |
LIGNE NOIRE BlueHDi 【特別仕様車】 | 6,420,000 円 | 18.8km/L |
LOUVRE BlueHDi 【特別仕様車】 | 6,600,000 円 | 18.8km/L |
燃費と価格を見ていきましょう。まずDS3 CROSSBACKですが、価格帯は400万円〜500万円中盤。DS7 CROSSBACKは600万円〜700万円中盤となっています。
国産車と比べるのは酷かもしれませんが、内外装の質感や安全性能などを考えると十分に割安だと思います。車格やターゲット層はまるで異なりますが、価格だけでみればDS3 CROSSBACK=トヨタ・ランクルプラド、DS7 CROSSBACK=トヨタ・ランクルが同じ価格帯として並ぶ感じです。
おすすめのグレードはDS3 CROSSBACKが「オペラ(466万円)」、DS7 CROSSBACKが「オペラ BlueHDi(688万円)」です。ここを選んでおけば、間違いなく満足度は高いと思います。
燃費については、SUVであること、そして車体サイズを考えると十分優れていると思います。DS7 CROSSBACKはBlueHDiディーゼルエンジンが用意されているので、価格は20万円ほど上がりますがランニングコストは抑えられます。
買い替える前にまずやるべきこと

DS7クロスバック
DS3 CROSSBACKもDS7 CROSSBACKも、割安なのは間違いありません。とはいっても、オプションや諸費用を含めるとカタログでの価格以上にお金が必要になります。
車を買い替えるときに僕が必ずやっているのは、自分の愛車の査定額をチェックすることです。下取りに出すと間違いなく安くなってしまうので、ネットの無料一括査定を使って査定額を確認します。
あらかじめ査定額がわかっていれば、ディーラーで下取りの見積をしてもらったときに基準がわかるので判断がつきやすいというメリットもあります(その場で下取り額の交渉材料にもなる)。
今回自分で記事をまとめてみて、僕が欲しいと思ったのはDS7 CROSSBACKです。最大の理由はデザインの良さ。水平基調が美しく、車格に合った見た目をしています。内装も良く、安全性も申し分ありません。
けっこうわりと本気で買い替えたいと思っているので、僕自身もまずは愛車の査定額をチェックしてみようと思います。