車の用語でよく耳にするのが「総排気量(排気量)」です。
よく耳にするけど、何を意味しているのかを知らない方も多いのではないでしょうか。
今回はこの総排気量の意味と、その単位「リットル(CC)」が表す意味をわかりやすく解説。
そして、それに理解するために必要なエンジン(シリンダーとピストン)の仕組みについても解説していきます。
排気量はシリンダーに集められる空気の量(cc)で決まる
まずは結論からお伝えすると、排気量とはエンジンのシリンダーに集められる空気の総量を意味します。
そして、ccというのは排気量の単位です。
つまり、「この車の排気量は2,000ccだ」というときは、2,000ccの空気を取り込んで動力に生かすことができるということです。
排気量とは「どれだけ空気を集められるか」を意味する
車の排気量とは、シリンダーに空気をため込める量のことをいいます(シリンダーについては後述)。
もっとわかりやすくいえば、空気を集められる量によって排気量は決まるということです。
排気量が多いということは、たくさん空気をエンジンに集めたということです。空気がたくさんあれば、ガソリンをたくさん燃やすことができますよね。
ですから、排気量が多い車は、それだけ多くのパワーが生まれるわけです。
そして、空気がため込める能力は、さきほど触れた「シリンダー」に影響されます。
シリンダーが大きければ(数が多ければ)、空気をたくさん集められるので、排気量も多くなります。
なぜ空気をたくさん集めると排気量が多くなるのでしょうか?
ここからは、シリンダーとピストンの仕組みを説明しながら、排気量の意味と仕組みについてくわしく見ていきましょう。
エンジンに欠かせない「シリンダーとピストン」ってなに?
総排気量を理解するには、まずはエンジンの仕組みについて知る必要があります。
エンジンはシリンダーとピストンの組み合わせによって作られています。
シリンダーとピストンではわかりづらいという人は、注射器をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
注射器の入れ物側をシリンダー、引っ張る方がピストンです。
シリンダーのなかの空気と燃料をピストンで密閉し、燃料を燃やすことで内部の空気が膨張します。
そして、膨張した力によってピストンが押し出されることで動力になるのです。
容器に空気を押し込むと圧力がかかって、ポンッと破裂しますよね。これを利用しているのがエンジンということです。
注射器を出したり引いたりするイメージです。注射器を押せば空気が押し込まれて、より濃い空気ができます。それがやがて爆発して動力になります。
反対に注射器を引けば、再び空気を取り込むことができますよね。
エンジンの性能をあらわす「気筒」とは?
シリンダーとピストンの組み合わせを気筒といいます。
つまり、シリンダーとピストンの組み合わせ(注射器1つ分)を「1気筒」と呼びます。
よく「◯気筒エンジン」などと言いますが、この気筒数によってエンジンの強さが変わります。
たとえば、4気筒エンジンなら【シリンダーとピストンの組み合わせ】が4つあるということです。
気筒数が多ければ、それだけ燃料を燃やす力が大きくなるので、エンジンの性能(排気量)もアップしますよね。
気筒数が大きい車はそれだけお金がかかっているため、基本的には高級車やスポーツカーなどに採用されることが多いです。
ちなみに、公用車としても使われるトヨタ「センチュリー」はV型12気筒エンジンを搭載しています(新型センチュリーは8気筒エンジン)。
トヨタ「アクア」は4気筒エンジンですから、センチュリーがどれだけ排気量の大きなエンジンを積んでいるかがわかりますね。
スポーツカーや大型車ほど気筒数は多く、排気量も大きい
乗用車では3気筒、4気筒、6気筒、8気筒、10気筒、12気筒などが使われます。
排気量(cc)が大きいほど、気筒数も多くなるのが一般的です。
たとえば2気筒であれば、シリンダーとピストンのセットが2つあるということになります。
馬力が求められる車は気筒数が多い
大型のSUVやスポーツカーなどは、馬力を出すために気筒の数を多くしています。そのため、価格が高くなるのです。
たとえば、ポルシェ911は6気筒。ランドクルーザーは8気筒が使われています。
こうしたスポーツカーやSUVには強い力が求められますから、排気量も大きくなるわけです。
気筒の並べ方で名称が異なる
「V型6気筒」といった表現は、エンジンをV型に並べたモデルのことをいいます。
また、「直列◯気筒」というのも同様で、直列に気筒を並べたエンジンのことを表します。
排気量とは直接関係ありませんが、気筒の並べ方によって車のエンジン性能や個性が変わってくるのです。
排気量が大きいエンジンほど、高出力になる
総排気量が大きいほどエンジンの力が大きくなるわけですが、この総排気量の単位にはリットルやCCなどが使われます。
さきほど説明したとおり、排気量の単位はシリンダーが空気を取り込める総量のことを指しています。
◯◯リッターの車、◯◯ccの車などと表現することがありますが、これがシリンダーが取り込む空気の量なのです。
エンジンは各気筒で燃料を燃やして、その膨張した力が動力になると先ほど説明しました。
この燃料を燃やすためには空気が必要です。
ですから、シリンダーに取り込める空気の量(排気量)が多ければ多いほど、たくさん燃料を燃やすことができるのです。
このシリンダーに取り込める空気の量をリットルやCCで表しています。この単位はペットボトルなどの容量と同じ。
400cc、750ccなどといわれるのが、総排気量のことです。
注意が必要なのは、この総排気量は1気筒あたりではなく全気筒の総量を指すということ。
つまり、たとえば4気筒の車の総排気量が400ccなら、1気筒あたり100ccの大きさになります。
税金が決まる排気量は、すべてのドライバー必須の知識!
今回はエンジンの仕組みと総排気量について解説しました。
排気量は車のスペックだけでなく、車の税金にも関係してくる知識です。
排気量が大きいほど環境や道路への不可が大きいということで、自動車の税金は高くなります。
そのため、自動車税を安くするためには排気量の少ない車に乗るようにしましょう。軽自動車の自動車税が安いのは、この排気量が少ないからというのも1つの理由なのです。
排気量について簡単に知っておくだけで、節税はもちろん車選びの楽しさも広がりますね。
税金を安くしたいなら、排気量の安い車へ買い替えるのがオススメ
排気量が多い車は、それだけ道路や環境に負担をかけていることになります。そのため、排気量が多い車は税金も高くなります。
排気量は自動車税の負担に直結しますから、税金を安くしたければ排気量の小さい車へ買い替えるのが手っ取り早いです。
たとえば軽自動車の自動車税は年額10,800円と世界的に見ても低い水準ですが、これは軽自動車の排気量が少ないからです。
普通車だと、最も安い「排気量1リットル以下」で29,500円(2019年10月1日以降の新車登録は25,000円)ですから、その差は歴然ですよね。
乗用車の自動車税(年額) | 2019年9月30日以前の新車登録 | 2019年10月1日以降の新車登録 |
---|---|---|
1リットル以下 | 29,500円 | 25,000円 |
1リットル超 1.5リットル以下 | 34,500円 | 30,500円 |
1.5リットル超 2リットル以下 | 39,500円 | 36,000円 |
2リットル超 2.5リットル以下 | 45,000円 | 43,500円 |
2.5リットル超 3リットル以下 | 51,000円 | 50,000円 |
3リットル超 3.5リットル以下 | 58,000円 | 57,000円 |
3.5リットル超 4リットル以下 | 66,500円 | 65,500円 |
4リットル超 4.5リットル以下 | 76,500円 | 75,500円 |
4.5リットル超 6リットル以下 | 88,000円 | 87,000円 |
6リットル超 | 111,000円 | 111,000円 |
排気量の小さい車に乗って、車の維持費を安くしよう
「とにかく自動車税を安くしたい!」という人は、軽自動車がおすすめです。あるいは、排気量が少ない普通車を選びましょう。
注意したいのは、いま乗っている車をどう売却するか?です。
車の買取相場は、お店によってバラツキがあります。そのため、売るお店によって10万円以上も買取額に差がつくことも珍しくありません。
せっかく自動車税を安くしようとしても、売却額で損をしては節約の効果が大きく減退してしまいます。
車を売るときは、必ず複数の車買取店を比較し、最高額で買い取ってくれるお店を選ぶようにしましょう。
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