車を買いたいけどお金がない。新車が欲しいけど、資金的に厳しいから中古車しか買えない…。
そんな悩みを持っている人も多いかと思います。
じつは車は買い方(支払い方)によっては月々1万円の支払いで済ませることもできます。
もちろん軽自動車などの値段が安い車だけでなく、新車の普通車だって分割払いを上手に活用すれば買えちゃいます。
ここでは毎月1万円の支払いで車を手に入れる方法と、そのメリット・デメリットについて紹介したいと思います。
どうして月々1万円で車が買えるのか?
車は大きな買い物ですから、本来であれば費用負担は大変なイメージがあります。ところが、最近では「月々1万円の支払いで新車が乗れます!」といったような広告が目立つようになりました。
なぜ毎月たった1万円の支払いで車が乗れるのでしょうか?その答えは「残価設定ローン(クレジット)」にあります。
人気の残価設定ローン(クレジット)ってなに?
残価設定ローン(クレジット)とは「新車の価格から3〜5年後の買取価格を差し引いて、その残りの代金を支払う仕組み」のことです。
わかりやすくいえば「販売店が5年後にあなたの車を100万円で買い取るので、100万円を差し引いた総額でローンを払ってください」という契約です。
新車の価格が200万円だとすると、本来は200万円のローンを組む必要がありますよね。でも、残価設定ローン(残クレ)であれば100万円でローンを組むことができます。
200万円の分割払いと100万円の分割払い、どちらが毎月の支払いが安くなるかは一目瞭然ですよね。念のため、簡単にシミュレーションしてみましょうか。
- 【200万円の自動車ローンを組んだ場合】
- 返済期間:72ヶ月(5年間)
- 金利:2%
- 毎月の返済額:29,501円
- 総返済額:2,124,064円
- 【100万円の自動車ローンを組んだ場合】
- 返済期間:72ヶ月(5年間)
- 金利:2%
- 毎月の返済額:14,750円
- 総返済額:1,062,032円
このように、200万円の車を買うとしても、残価設定ローンを使うことで返済額を約半分に減らすことができます。毎月の支払い負担が減るので、お金がなくても新車を購入できるようになりますよね。
ローンを組んだときに気になる「金利(利息)」についても、元金が少なくなるので負担が軽くなります。
頭金がなくても買えることから、「資金的に厳しいけど、毎月1万円ずつなら払えるかな」というユーザーに人気があるのです。
もちろん、頭金を用意できるのであれば、残価設定ローンを使わずとも毎月の支払い額を減らすことはできます。
デメリットもある!残価設定ローンは結局のところ「人の車」
残価設定ローンは、毎月1万円という少額でも車を買うことができますが、欠点があります。
さきほど説明したとおり、基本的に最後は売却することになる(返却に近い)ので、残価設定型ローンは、言ってみれば「人の車」を借りている感覚に近いです。
僕の個人的な感覚からすると、所有する喜びみたいなのが何となく薄くなってしまう感じがあるんですよね。
その他にもいくつかありまして、おもに以下のようなデメリットに注意しましょう。
- 【残価設定ローンのデメリット】
- ・走行距離に制限がある
- ・キズや凹みは減額になる
- ・金利マジックがある
走行距離に制限がある
契約年数が終わって車をディーラーに返却するときに、契約で決めたよりも走行距離が多いと追加料金が発生することがあります。
簡単に説明しておくと「この車は5年間で走行距離5万キロを上限とします」というルールを決めるのが、残価設定ローンの基本です(年数と走行距離はあくまでも一例)。
最終的にはディーラーに返却する車ですから、ディーラーとしては「あまりたくさん乗られちゃうと価値が下がって困る」わけですね。
ですから、最初に契約した走行距離を超えてしまうと、当初よりも安い価格で売却しなければならないこともあります。
自分の車とはいいつつ走行距離に制約があるので、遠出の旅行などは心理的に行きづらくなるかもしれませんね。
車が好きでたくさん出かけたいという人にとって、残価設定ローンは最終的にムダの多い選択になる可能性があります。
「月々1万円程度の支払いで乗れればそれでOK」ということであれば、問題ありません。
キズや凹みは減額になる
また、キズや凹みがあるとその分だけ減額となるので注意が必要です。
さきほど説明したとおり、契約した年月が経過すると、車はディーラーに返却するのが原則です。そのときにキズや故障があれば、当然あなたが負担することになります。車の所有権は、あくまでも販売店にありますから仕方ありません。
「ディーラーの引取額が安くなるなら、最初から普通に購入しておけばよかった」という事態になりかねないのが、残価設定型の注意点です。
他にもいくつかデメリットがあるので、毎月1万円で車が買えるからといって飛びつくことは避けたいですね。
月々1万円の支払いで済むパターンをシュミレーションしよう
それでは実際に具体的な事例をあげて、毎月の支払い額が1万円で済む新車でシュミレーションしてみたいと思います。
以下は【ホンダ・フィットハイブリッド ベースタイプ】の支払い例です。フィットハイブリッド ベースタイプは、その名の通りフィットハイブリッドの基本型で最も安く購入できるタイプです。
本体価格 | 1,681,714 円(税込) |
---|---|
3年後買取保証金額 | 820,000 円 |
頭金 | 481,714 円 |
初回支払い | 12,040 円 |
毎月支払い | 8,800 円 ×35 回 |
ボーナス支払い | 40,000 円 ×6 回 |
本来は約170万円の新車価格ですが、そこから「3年後買取保証額」(820,000円)を差し引きます。これは要するに、「ディーラーが3年後に契約した金額で買い取りますよ」という決まりのことです。
買取保証額の分だけ、月々の支払い額を減らすことができます。そのため資金計画に余裕を持つことが可能です。
頭金を約50万円ほど用意していることもありますが、毎月の支払額は1万円を切る水準となっています。
僕が車を買うときは、なるべく頭金を多めに用意する努力をしています。そのほうが、トータルで支払う金額が安くなるからです。目安は代金の半分にしています。

ディーラーの買取保証額は絶対ではないので注意
残価設定ローンにはデメリットもありますが、「買取額が保証されたうえで、新車に乗れる」というのは実際かなり美味しい話です。
「こんなにおいしい話のウラには何かがある」。そう考える方もいるかと思いますが、その考えは当たっています。それは、さきほどで説明した「3年後買取保証額」が絶対的なものではないということです。
つまり、3年後に買い取ってもらえる金額がもっと下がってしまうリスクがあるということ。
そうなると、追加で支払いが発生するなどして、余計な資金負担が増えることになってしまいます。買取額が保証されない(買取額が下がる)のはどんなときなのでしょうか?
条件に違反すると追加料金が発生することも
最終的な買取額が下がってしまうのは、ざっくりいうと「車の価値が下がってしまったとき」です。
これはディーラーによって条件が異なりますが、先ほど説明したとおり「一定の走行距離を超えた場合」「事故車として修復歴がついた」といったケースが発生すると、「買取額」が減額されることがあります。
つまり、3年後に支払ってもらえる買取額が明確に決まっているわけではなく「とりあえず、いまのところはこの金額ね」という約束に過ぎないのです。
走行距離はともかく、事故歴については自分でコントロールできることではないので、リスクが必ず伴います。

なるべく頭金の準備をしよう
残価設定クレジットは便利な面もありますが、できるかぎり前もってお金を準備してから新車を購入したほうが良いことは間違いありません。
もし車の買い替えなのであれば、いまの車を少しでも売却するなどして、頭金のために資金を確保しておきましょう。
車を新しく買う人は、いま乗っている車を上手に売却しています。それによって、頭金を手にすることができるわけですね。
複数の買取店の査定額を比較することで、あなたがいま乗っている車の見積もり額は簡単に知ることができます。
毎月1万円で買える車種のバリエーションを増やすこともできるので、まずはインターネットの一括査定で愛車の査定額をチェックしておくといいかもしれません。
無料査定で愛車の最高額をチェックしてみる残価設定クレジットを使わずに毎月1万円で車を買う方法は?
残価設定型クレジットは、メリットとデメリットがあります。
「車を3年(あるいは5年)で買い替える人」にはおすすめできます。
一方で、車を買ったら長く乗りたいタイプの人や、完全に自分の車としてドライブを楽しみたい人もいると思います。
残価設定型クレジットを使わずに、毎月1万円ずつの支払いで車を買うことはできるのでしょうか?
結論からいうと、大きくわけて3つ方法があります。
- ① 毎月1万円で車をリースする
- ② 単純に価格が安い車を買う
- ③ 自動車ローンを組んで毎月1万円ずつの返済に抑える
① 月々1万円で車をリースするという方法もある

V40 D4 Inscription
一つの方法として、車のリース(カーリース)をすることもできます。リースとは、わかりやすく言えば”レンタル”です。つまり、車を月々1万円〜という料金で借りて、期間にわたって乗り続けることをいいます。
レンタカーは数時間〜1日などの短期間ですが、カーリースは長期間(数年間)にわたって車を借りることになります。
「車を借りるのはいいけど、気を使うし、自分の好みにカスタマイズできないのでは?」と思われるかもしれませんが、心配はいりません。
カーリースにはいくつか似たようなサービスがありますが、なかには「車の価値を落とさない程度にカスタマイズOK」としているサービスもあります。
たとえば、タイヤを変えたりオーディオやカーナビを自分好みにチェンジすることもできるのです。
さらに、自動車税や車検代はすべて月々の支払いに含まれているので、維持費を心配する必要がありません。
契約期間を終えた車は、返却することはもちろん、そのまま買い取って自分の車にすることもできます。
「月々1万円しか払えないけど、車を楽しみたい」という人にはピッタリのサービスと言えるでしょう。
一例として、月々の定額料金で車をリースできるサービスには以下のようなものがあります。
- ・月々払い新車カーリース「定額ニコノリパック」
- ・月々1万円から新車に乗れる「フラット7」
② 単純に価格が安い車を買う
新車やカーリースを活用する以外に、価格が安い車を買うというのも1つの方法です。
月々1万円という金額に収めるには、価格が安いという前提が必要になります。ですから、月々1万円で支払期間が長くならないような支払い方法を選ぶようにしましょう。
支払期間が長くなると支払いがしんどくなりますから、ここでは5年間で支払いが完了する金額でシミュレーションしてみましょう。
- ・毎月1万円 72ヶ月(5年間)
- 支払い合計額 72万円
つまり、購入金額が72万円までであれば、月々1万円の支払いでも続けることができるでしょう。厳密には、金利や諸経費を計算すると実際にはもう少し大きな金額になります。
また、月々1万円の支払いではローンを組めないケースもあるので注意が必要です。
頭金をいくら用意するかも大切な条件
それなりに良い車を月々1万円で車に乗りたいのであれば、頭金を用意できるとベストです。
たとえば、頭金が30万円用意できるとしましょう。すると、100万円の車でも、ローンを組む金額は70万円です。
さきほど紹介したように、72万円であれば5年間かけて月々1万円支払いにすることができます。
月々1万円で車に乗るには、新車価格が70〜80万円の軽自動車を選ぶか、中古車から欲しいクルマを選ぶのが現実的といえるでしょう。

③ 返済額が毎月1万円になるように自動車ローンを組む
残価設定ローンではなく、ふつうの自動車ローンを組む方法もあります。
この場合、月々1万円の支払いになるようにプランを考える必要があります。
車両代金にもよりますが、月々1万円の返済額というのはかなり少ないほうです。
そのため、以下のどちらかの方法で返済額を圧縮する工夫が必要になります。
- ① なるべく安い車を買う
- ② 返済期間を長くする
①の場合、なるべく安い車を買えば当然毎月の返済負担は軽くなりますよね。
②は、返済期間を長くすることで毎月の支払い額は少なくて済みます。ただ、返済総額は増えてしまうので注意が必要です。
いまの車を購入費用にあてれば、支払いはもっとラクになる!
ここまでは残価設定ローンを中心に話をしてきました。月々1万円でも車を買うことはできますが、やはり大切なのは最初の予算づくりです。
わかりやすくいえば「車を買うためのお金をどれだけ用意できるか?」ということです。
最初の大きなお金を用意できれば、毎月の負担が軽くなるのは言うまでもありません。頭金の目安は車両代金の20〜30%と言われていますから、やはり最低限の頭金は用意したいところ。
ですから、車の買い替えであれば、いま乗っている車を少しでも高く売るに越したことはありません。
理由は明白で、いまの車を高く売ることができれば、次の車の買い替え費用が増えるからです。
そのためには、複数の買取店から見積もりを出してもらうことが大切です。まずは無料の一括査定を活用して、いま乗っている車の査定額を出してもらいましょう。
たとえば、「毎月1万円で軽自動車のN-BOXを考えていたけど、車が高く売れたからグレードを上げたりオプションを付けちゃおう!」なんてことも可能ですよ。