外車は生産された国の文化が感じられ、国産車にはない魅力があります。
しかし、高価でボディの大きい車種だと、かんたんには手が出せませんよね。
じつは外車でも価格が安く、ボディが小さくて運転しやすいコンパクトカーがあります。
今回はわたしがおすすめしたい車種を3つ比較してご紹介します。
選ぶべきは「車両本体価格200万円前後」と「5ナンバーサイズ」
ご紹介する車は「価格が安い」ことが条件のひとつなので、車両本体価格は200万円前後としました。
次に、もうひとつの条件である「コンパクトであること」を満たすため、5ナンバーサイズ(全幅1,700mm以下)であることを必須としました。
こうした基準で選んだおすすめの外車コンパクトカーが、以下の3車種です。
- ・ルノー「トゥインゴ」
- ・フォルクスワーゲン「up!(アップ)」
- ・フィアット「500(チンクエチェント)/1.2ポップ」
可愛くてポップなデザイン、取り回しの良さが魅力のルノー「トゥインゴ」
まず最初に紹介するのは、フランスのルノーの入門コンパクトカー、「トゥインゴ」です。
ボディタイプは5ドアハッチバックで、スタイリングは丸みを帯びた可愛らしいものです。
全長は3,620mmと軽自動車よりも少し長い程度で、全幅も5ナンバー枠に収まる1,650mmとなっています。
このコンパクトなサイズに加え、最小回転半径4.3mという軽自動車も顔負けの小回り性能を持っているため、運転のしやすさは申し分ありません。
これだけ最小回転半径が小さいのは、いまの車にはめずらしいRR(リアエンジン・リアドライブ)方式の採用により、大きな前輪切れ角を実現しているからです。
グレードとパワートレイン(エンジン+トランスミッション)は、以下のとおりです。
グレード名 | エンジン | 最高出力(ps)/最大トルク(kgm) | トランスミッション |
---|---|---|---|
ゼン[MT] | 1L直3自然吸気 | 71/9.3 | 5速MT |
ゼン[EDC] | 0.9L直3ターボ | 90/13.8 | 6速EDC |
インテンス | 0.9L直3ターボ | 90/13.8 | 6速EDC |
インテンス キャンバストップ | 0.9L直3ターボ | 90/13.8 | 6速EDC |
エンジンは小排気量でも、ターボがパワフル
唯一、自然吸気エンジンを搭載するゼン[MT]も必要十分なパワーがあり、5速MTを駆使すれば楽しく走れます。
また、クラッチも軽く扱いやすいので、MT初心者やMT車に乗るのが久しぶりという人でも大丈夫です。
一方、ターボエンジンを搭載するほかのグレードは、1Lにも満たない排気量が信じられないほどのパワフルさが魅力です。
また、デュアルクラッチ式の6速EDCの変速もスムーズです。
見た目よりも室内は広く、デザインもかわいい
室内は、国産コンパクトカーにはみられないポップなデザインとカラフルな色使いが特徴で、運転席に座っているだけで楽しい気分になれます。
乗車定員は軽自動車と同じ4人になりますが、室内スペースの広さは十分です。
また、リアにエンジンを搭載しながらも、FF車と変わらない荷室スペースを確保しています。
安全性は国産車には劣る
安全装備面では、残念ながら衝突被害軽減ブレーキは付きません。
一方で、国産コンパクトカーではオプション扱いになることが多い、前席頭部保護機能付サイドエアバッグが標準装備される利点があります。
価格は、以下のとおり全車200万円代という安い設定になっています。
おすすめのグレードは、MT車の原点のような味を持つインテンス[MT]と、屋根を開けて開放的なドライブが楽しめるインテンス キャンバストップです。
- ・インテンス MT 2,100,000円〜
- ・インテンス EDC 2,250,000円〜
- ・インテンス キャンバストップ EDC 2,370,000円〜
ボディ剛性の高さと上級モデルなみの乗り心地が持ち味の、フォルクスワーゲン「up!」
続いて紹介するのは、ドイツのフォルクスワーゲンの入門コンパクトカー「up!」です。現在は生産終了となっているため、中古車のみとなります。
ボディタイプは、3ドアハッチバックと5ドアハッチバックが用意されます。
スタイリングはトゥインゴほどポップではありませんが、2トーンのリア回りなどに遊び心が感じられます。
ボディサイズは全長が3,610mm、全幅が1,650mmとトゥインゴとほぼ同じで、狭い日本の道路でも扱いやすくなっています。
駆動方式は一般的なFFなので、最小回転半径4.6mとトゥインゴほど小回りはききませんが、軽自動車なみの数値なので、取り回しで困ることはありません。
エンジン回りとボディ剛性は?
パワートレインは、1L直3自然吸気エンジン(最高出力75ps/最大トルク9.7kgm)と、シングルクラッチ式ATの5速AGSの組み合わせが搭載されます。
エンジンは3気筒ながら4気筒なみのスムーズさを持ち、3気筒特有の振動も気になりません。
5速AGSは、以前のモデルでは変速のたびにトルクが抜ける感覚が気になりましたが、最新のモデルでは大幅に改善されています。
また、しなやかに動くサスペンションや剛性の高いボディのおかげで、上級モデルなみの快適な乗り心地を実現しているのも特徴です。
自動ブレーキを搭載し、より安全に
室内は、ドイツ車らしく機能的にまとめられています。しかし、ほかのフォルクスワーゲン車と比べると色の使い方がお洒落で、楽しい気分にさせられます。
乗車定員はトゥインゴと同じ4人で、室内スペースや荷室スペースの広さは十分です。
安全装備面では、衝突被害軽減ブレーキの「シティエマージェンシーブレーキ」や、頭部保護機能付サイドエアバッグが標準装備されるなど、充実しています。
中古車市場(カーセンサー)を見てみると、価格帯は価格帯:9.8万円~239 万円。平均価格は61.4万円です(記事執筆時点)。中古車を買う場合、外車特有の低いリセールバリューの恩恵を受けることができます。
ちなみに、当時の新車販売価格は以下のとおり。新車でも200万円を切る安い価格設定が魅力でした。おすすめのグレードは、ワイドタイヤの採用により、ワンランク上の操縦安定性を実現しているhigh up!です。
- 当時の新車価格
- ・move up! (2ドア) 158万7,000円
- ・move up! (4ドア) 178万7,000円
- ・high up! (4ドア) 193万8,000円

可愛いスタイリングやポップなインテリアが魅力の個性派モデル、フィアット「500/1.2ポップ」
最後に紹介するのは、イタリアのフィアットの個性派コンパクトカー「500」です。
スタイリングは往年の名車「ヌオーヴァ500」をモチーフにしており、ほかの車では得られない独特の雰囲気を持っています。

ヌオーヴァ500
ボディタイプは3ドアハッチバックのみなので、後席をよく使う人にとっては不便かもしれません。
ボディサイズは全長が3,570mm、全幅が1,625mmで、今回紹介した3車種の中でもっともコンパクトになっています。
最小回転半径は4.7mで、ほかの2車種よりは少し大きくなっていますが、取り回しで困ることはまずないでしょう。
エンジンはマニュアルモードでもっと楽しく走れる
駆動方式は、ヌオーヴァ500と同じRRではなく、FFが採用されています。
1.2ポップに搭載されるパワートレインは、1.2L直4自然吸気エンジン(最高出力69ps/最大トルク10.4kgm)と、「デュアロジック」と呼ばれるシングルクラッチ式5速ATの組み合わせです。
エンジンは決してパワフルではありませんが、デュアロジックをマニュアルモードにして高回転まで引っ張れば、元気に走ることができます。
室内の広さに期待はできない
室内は、グレード名のとおりポップ感にあふれたデザインや色使いが持ち味。「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する「目玉おやじ」を彷彿とさせるメーターが印象的です。
乗車定員はほかの2車種と同じ4人になりますが、後席スペースの広さでは一歩を譲ります。
まずデザインありきで設計されたモデルなので、そこは仕方のないところです。
安全装備面では衝突被害軽減ブレーキは付きませんが、運転席ニーエアバッグ/前席シート組込型サイドエアバッグ/前席ウインドーエアバッグが標準装備です。正直なところ、安全性をこの車に求めてはいけないと思います。
グレードは3種類ありますが、最も安いのが「500 1.2 CULT」で、¥2,210,000〜となっています。

単なる廉価モデルではない、魅力にあふれた3台
今回取り上げたコンパクトカー3車種は、外車としては安い価格設定が魅力になっています。しかし、決して安さだけが取り柄というわけでありません。
個性的な内外装デザインや取り回しの良さ、限られたパワーを引き出しながら走る楽しさなど、上級モデルでは得られない美点を持っています。
また、国産コンパクトカーと比べると、外車ならではのエキゾチックな魅力があります。
もし、この記事で取り上げた3車種のどれかに興味を持ったら、ぜひともディーラーに足を運んで試乗してみてください。そして、気に入ったら迷わず買ってしまいましょう!
最近の外車は故障も少なくなっていますし、コンパクトカーなら維持費もそれほどかからないので、先々のことを必要以上に不安がらなくても大丈夫です。
新規購入や買い増しではなく、いま乗っている車から買い替える場合は、ディーラーに下取りに出す前に車の一括査定の利用をおすすめします。
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ディーラーの下取り額よりも高い査定額が付く可能性は、かなり高くなるので手元に入る現金が多くなるはずですよ。