セダンは高級車を体現する代表的な形で、輸入車のセダンの多くが高価格帯です。そのイメージと価格の高さから、輸入車セダンに憧れを持つ人もたくさんいます。
私が個人的にかっこいいと思う、おすすめの輸入車セダンをご紹介します。なお、国産セダンについては以下の記事で紹介しています。

フォルクスワーゲンのセダン
フォルクスワーゲンはゴルフが代表的な車種ですが、じつはミニバン、SUV、そしてセダンも充実しています。
セダンについてはパサートと新型アルテオンがかなりいい感じです。
パサート
パサートはドイツ語で「貿易風」を意味していて、初代はなんと1973年までさかのぼります。
過去のデザインを見ると、【ダサい→かっこいい→ダサい→かっこいい】を繰り返している印象ですが、ここ最近のパサートのデザインは安定しています。
水平基調のフロントは個性は薄いものの、非常に整った顔立ちをしていて、多くの人に愛される車だと思います。
パサートの次期型が、このあと紹介するアルテオンに似てくるので、パサートとアルテオンのどちらを選ぶかで迷うかもしれません。
ただ、内装や装備については大差なく、パサートとアルテオンのちがいはエンジンくらいです。カッコよさで選ぶならあとは好みの問題になるでしょう。
セダンとワゴンがあるので、使い勝手を考えて選べるのもいいですね。
- パサート(PASSAT)
- ¥ 3,339,000〜
アルテオン
アルテオンは以前まで発売されていたCCという車種の後継にあたりますが、2017年に登場した完全なる新型車種です。
フォルクスワーゲンのフラッグシップとして、アルテオンは最上位モデルの位置づけとなります。つまり、パサートよりも値段は高いです。
デザインの特徴はなんといって大きく開いたフロントグリルでしょう。水平に引かれた横ラインは、アウディのフロントグリルを彷彿とさせます。
デザインのカッコよさは申し分ないと思いますが、正直値段が高く感じてしまいますね。
やはりフォルクスワーゲンには”大衆車プライス”を期待してしまうので、「フォルクスワーゲンの車にこの値段を出すならアウディかBMW買いたいな…」と思ってしまいますね…。
- アルテオン(ALTEON)
- ¥ 5,490,000〜

メルセデス・ベンツのセダン
もはや説明不要の高級車メーカーですね。
A-Classなどのお安い車種もありますが、やはり目立つのはE-ClassやS-Classなどの高級セダンです。
また、S-Classのなかにはマイバッハというサブブランドもあり、さらに値段が高くなります。
C-Class
C-Classは、メルセデス・ベンツのセダンでは一番お求めやすい価格です。
サイズもセダンのラインナップのなかでは一番小さいので、運転のしやすい車でもあります。
C-Classの2ドアクーペもあるので、よりスポーティなデザインを求めるならクーペが良いですね。
カッコよさレベルでいうと正直S-Classにはかなわないですが、手頃な価格でメルセデス・ベンツのセダンに乗りたい人には最適な選択と言えるでしょう。
- C-Class
- ¥4,490,000〜
E-Class
E-ClassとC-Classは、見た目もサイズ感もほとんど同じで見分けがつかないほどです。
E-Classのほうが20cmほど全長が大きいのですが、それを除けば同じカタチといっても良いくらいです。
ですから、もしデザインや見た目のカッコよさだけで選ぶのであればC-Classを買ったほうがいいでしょう。
ちがいとしては、E-Classのほうが車内の質感やゆとりに優れていて、また半自動運転機能が搭載されているということです。
価格が高い分、当然E-Classのほうが良いわけですが、見た目に差がないのはちょっと改良してほしいですね。
- E-Class
- ¥7,010,000〜
S-Class
メルセデス・ベンツのフラッグシップであり、輸入車メーカーのなかでも特別な存在感を放っているのがS-Classです。
もはや、この車に乗ることが、一つのステータスであり「到達点」であるのかもしれません。
S-Classの見た目の大きなちがいは、メルセデス・ベンツのエンブレムである「スリーポインテッドスター」がフロントにそびえたっていることでしょう。
じつをいうとE-Classもグレードによっては「スリーポインテッドスター」がフロントにそびえたっているのですが、S-Classはすべてのグレードに標準で付いてきます。
「スリーポインテッドスター」はカッコいいと思う反面、金持ちっぽい”いやらしさ”もあるので、好き嫌いが分かれるかもしれませんね。
S-Classはサイズも大きいので、他のモデルよりも迫力と存在感があります。
- S-Class
- ¥11,160,000
BMWのセダン
BMWはハッチバックの1シリーズから、Z4やi8などのスーパースポーツまで幅広い車種をラインナップしています。
なかでもセダンはBMWの中核とも言えるモデルが多く、特に3シリーズと5シリーズは人気が高い車種です。
3シリーズ セダン
3シリーズはBMWのセダンでもっとも価格が安いモデルです。
最近は、フロントライトとキドニーグリルをつなげるデザインが多くなってきていて、3シリーズもシームレスなデザインに仕上がっています。
サイズは比較的コンパクトなので、日本の道路事情にもぴったり合うはずです。
決して派手さはないけど、大人の男がさりげなく3シリーズを乗りこなす感じは、すごくカッコいいし、憧れます。
- 3シリーズ
- ¥4,310,000円~
5シリーズ セダン
3シリーズと5シリーズのちがいは、サイズと装備・機能にあります。
5シリーズのほうが全長と全幅が大きく、取り回しはやや不便かもしれません。
見た目は正直ほとんど同じなので、デザインだけで決めるのであれば断然、価格の安い3シリーズがおすすめです。
ただし、5シリーズにはBMW SOSコールやBMWドライバーサポートサービスなどが付いてくるので、安全面の充実度は5シリーズのほうが格段に上です。
- 5シリーズ
- ¥6,460,000円~
マセラティのセダン
マセラティはイタリアの自動車メーカーです。メルセデス・ベンツやBMWほどの知名度はありませんが、高級車メーカーとして高い評価を得ています。
フロントグリルを低く構えたデザインは、マセラティとひと目でわかるほど特徴的で、エンブレムの派手さもあいまって街でも非常に目立ちます。
レヴァンテという新型SUVを出すなど、ラインナップの拡充を進めるマセラティですが、やはり中核となるのはギブリやクアトロポルテといったセダンです。
ギブリ
ギブリはマセラティのエントリーモデルでありながら、V6 ターボエンジンを搭載するスポーツカーでもあります。
4ドアセダンでありながら、操舵性と内装の質感は非常に高く、所有することの喜びを大いに味わえる車だと思います。
見た目はかなり個性が強く、存在感は抜群です。低い位置のフロントグリルが印象的で私は好きです。
エントリーモデルでありながら価格は1,000万円近いですから、そう簡単に買える車ではありません。
正直安全面や装備面はメルセデス・ベンツやBMWには及びませんから、競合車種と比較したときにギブリの優位性は低いと言わざるを得ません。
ですから、”デザインで買う車”と言ってしまっていいかもしれませんね。
- ギブリ
- ¥9,350,000~

クアトロポルテ
クアトロポルテはマセラティの上位モデルです。グレードに応じてV6エンジンとV8ターボエンジンが用意されています。
デザインだけを見るとギブリと近いですが、サイズが大きく、フロントライトのリフトアップにちがいがあります。
安全運転支援にちがいがあり、エンジン性能もクアトロポルテのほうが上です。
クアトロポルテのほうが迫力があるデザインなので、「デカくて存在感のあるセダン」という意味では良い選択肢になりそうです。
- クアトロポルテ
- ¥12,255,500~
なお、ギブリとクアトロポルテのちがいは以下の記事で解説しています。

ボルボのセダン
ここ数年のボルボはXC60とXC90の人気がすさまじく、いまやSUVが看板車種といっても過言ではないレベルです。
デザインの良さと安全性の高さは申し分なく、また価格が手頃なのもありがたいですね。
セダンの選択肢としてはS60とS90がありますが、ここでは車格が高いS90を見ていきましょう。
S90
S90はボルボのあたらしいデザイン言語が採用された、最上位グレードのセダンです。
限定500台という演出は、おそらく売れてないことの裏返しだと思うのですが、個人的にはいま一番欲しい輸入車セダンです。
まずデザインが最高に良いですね。いまのボルボはトールハンマーヘッドライトに注目が行きがちですが、わたしはS90のリア(お尻)が大好きです。
下手に丸みを帯びさせることなく、水平基調でシンプルなんだけど、高級感も醸し出しています。
はっきり言って、この車格と装備の充実っぷりを考えると安すぎるくらいです。もっというと、新車よりも登録済み未使用車あたりを買えると、かなりコスパが良いと思います。
- S90
- ¥6,440,000〜
アウディのセダン
アウディもメルセデス・ベンツやBMWと同じように、ハッチバックからSUV、さらにはスポーツカーまで幅広いラインナップが揃っているメーカーです。
セダンの選択肢も多く、なかでもA8が持つ自動運転技術が世界的に注目を集めています。
A6
A6は、車格でいうとBMW5シリーズやメルセデス・ベンツのE-Classと競合する車種です。
アウディのセダンは、どのモデルもデザインがかなり似ていて、サイズ感やフロントグリルとフロントライトのわずかなちがいから見分けるしかありません。
A6はスポーティな雰囲気と風格を同時に併せ持ったスタイリングに仕上がっていて、かっこいいですね。
- A6
- ¥6,340,000〜
A8
A8は世界ではじめて自動運転レベル3を搭載した車種として、注目を集めています。
レベル3というのは「運転手は常にシステムを見ている必要はないけど、万が一のときは運転できる状態にいる必要がある」というもの。つまり、基本的には車任せで自動運転ができてしまうということです。
A8のデザインはサイズこそ大きいのですが、これまた他のA6、A7などと大差がなく、「1000万円超の高級車なのにどうなの?」という印象を持ってしまいます。「フロントグリルの主張がちょっと強い」ぐらいの差しかありません。
デザイン自体はかっこいいのでそれはいいのですが、やはり高い車に乗るのであれば、他のモデルとの違いがひと目でわかる工夫が欲しいです。
結局、高い車に乗ることは所有欲と顕示欲を満たすステータスでしかないので、それを満たすためには他の車種との”見た目の差別化”が必要だと思います。
- A8
- ¥11,400,000〜
輸入車セダンは高いので、資金計画には要注意
ここまで輸入車メーカーのセダンを見てきましたが、どの車種も値段が高く、1000万円超の高級車もいくつかありました。
国産セダンよりも選択肢が多いのは良いのですが、価格がどうしても高くなるので資金計画は入念に立てる必要があります。
ここで紹介した価格設定はあくまでも最低ラインなので、オプションや諸経費を込めるともっと高くなる点にも注意が必要です。
輸入車セダンを少しでも安く買うためには、まず頭金をどれくらい用意できるか考えるのが最初のステップです。
思ったより頭金が少ないようであれば、愛車を高く売却して、予算を潤沢にするようにしましょう。