車を選ぶときに、価格の安さを優先する人はやはり多いですよね。特別なこだわりが無い限りは、安くて良い車に乗るのが1番だと僕は思います。
そして「安い新車がいいけど、外車に乗りたい!」という人も意外と多いはず。ひと昔前は外車といえば高級なイメージで価格の高いものでしたが、いまは200万円を切るリーズナブルな輸入車がたくさんあります。
今回は1番安い外車を探している人に知ってほしい、外国メーカー別の最安車種をご紹介します。
なお、国産車を探している人は【普通自動車で1番安い新車は?国産メーカー別に徹底検証!】をご覧ください。
フランス車メーカー「プジョー」最安の本命は208
まずはフランス車のメーカー別に新車価格が1番安い車種を見ていきましょう。
フランス車はドイツ車などに比べると日本で流行っているイメージがないかもしれません。しかし、デザイン性もさることながら、最近は燃費や安全性能向上も見られます。

プジョーの1番安い車種は「208」

旧モデル
プジョーは日本車にはない独特のフロントデザインが特徴です。
価格帯は比較的幅広く、普及モデルからミドルレンジまでさまざま。ただし、いわゆる高級車の価格帯(1000万円超)は扱っていません。
さて、そんなプジョーの1番価格が安い車は「208」です。
- PEUGEOT 208
- ・本体価格:¥2,708,000~
- ・燃費:17.9km/L(WLTCモード)
- PEUGEOT e-208(電気自動車)
- ・本体価格:¥4,255,000~
- ・1充電走行距離:395km(WLTCモード)
プジョー208は非常にコンパクトながら十分な室内空間が確保されています。
内装も安いからといってチープでは決してなく、コンパクトカーとは思えない佇まい。
プジョーが商標まで取得して推している「3D i-Cockpit」は、コックピットという名に違わぬ完成度です。運転中の視線移動を最小限に抑える最適なレイアウトになっており、細かいボタンの意匠までが運転者の心を躍らせるデザインに仕上がっています。ステアリングがやや楕円形になっているところも、個人的にそそられるポイントです。
燃費もフランス車のなかでは最高レベルといえる17.9km/L(WLTCモード)を実現しています。EVモデルは航続距離が395kmと標準的な水準ですが、ふだん使いには十分なレベルです。
さらに、最近のプジョーは安全装備にも力を入れています。アクティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなど基本的な機能が備わっているので安心感があります。
そして、僕が個人的に重視している「自動ブレーキ」も搭載しており、レーザーセンサーが前方の車両や障害物を検知。ドライバーが回避操作を行わない場合に自動的にブレーキを作動させる自動ブレーキが208にも装備されています。
この「アクティブセーフティブレーキ」は作動範囲が5〜140km/hと幅広く、さらにカメラの精度を高めることで二輪車や夜間の歩行者を検知する能力が高まっています。
ただし、実用性(実際に事故が避けられるか)については国産メーカーに劣る部分が多いのも事実です。2019年のデータではありますが、Euro NCAPの安全性テストでは時速35kmで走行時、目の前を横切る歩行者に対して衝突回避できませんでした。
これはどの車にも言えることですが、メーカー公式サイトやパンフレットに書かれている安全装備の説明は、あまり鵜呑みにしないほうが良いと思います。輸入車の安全性を正確に知りたい場合には、Euro NCAPのYoutubeチャンネル等でテスト動画を見るのがおすすめです。
ルノー・新車価格が1番安い「トゥインゴ」
日本では圧倒的にカングーが人気のルノーですが、ハッチバックの「メガーヌ」、そしてSUVの「キャプチャー」といった車種も隠れた人気車です。
さて、そんなルノーの1番安い価格の車は「トゥインゴ」です。
トゥインゴが持つ最大の魅力は、軽自動車並みのコンパクトさです。最小回転半径4.3mという小回りの良さは、狭い路地や駐車場といった日本の道路環境に適しています。
トゥインゴはフランスの道路事情によって磨かれたといっても過言ではありません。パリは石畳の狭い路地や坂道が多いため、乗り心地の良さとパワーが必要とされます。さらに、郊外に出ると高速道路が整備されているわけですから、メーカーいわく【1,000km移動するための快適さや走行性能】が求めらます。
ただし、安全装備については不十分と言わざるを得ません。記事執筆時点の現行モデルはクルーズコントロールや自動ブレーキ(衝突回避支援システム)は搭載しておりません。近年のコンパクトカーの多くが搭載している当たり前の装備が付いてないことを考えると、少々物足りなさを感じます。
- トゥインゴ インテンス EDC
- 価格:2,250,000円
- WLTCモード燃費:17.4km/L
- 全長 × 全幅 × 全高 mm:3,645 × 1,650 × 1,545
完成度が高い「ルーテシア」もおすすめ

旧モデル
価格はトゥインゴよりやや高くなりますが、ルーテシアも非常におすすめしたい車種です。個人的な感想としては、コスパを考えるとルーテシアに軍配が上がると思います。
- ・本体価格:¥2,669,000~
- ・燃費:17.0km/L(WLTCモード)
- ・ターボ搭載で走りも楽しめる車
曲線と直線を上手く組み合わせ、シンプルさと高級感が融合した高いデザインに仕上がっています。クセがなくて、個人的にはすごく好きな外観です。
中身もしっかり充実しており、新設計されたCMF-Bプラットフォームの軽量・高剛性なシャシーに、上位クラスに匹敵する高性能1.3L 直噴ターボエンジンを搭載。走りにこだわる人も、十分満足を得られる完成度です。
これまでのルーテシア(ならびにルノー車全体)は安全性に欠ける印象が強かったのですが、ここ数年でようやく本格的な安全装備を搭載するようになりました。ルーテシアには運転・駐車支援システム「ルノー イージードライブ」が搭載されています。アダプティブ・クルーズ・コントロールは「ストップ&ゴー機能」に対応。衝突回避軽減ブレーキは自転車や歩行者まで感知します。
以前までは「ルノーというフランス車はデザインやファッションで買う」という印象でした。しかし、燃費性能こそやや劣るものの、もはや国産車の主要ハッチバックと対等に戦えるレベルまでルーテシアは到達しています。

シトロエンで新車価格が1番安い「C3」

シトロエン C3
シトロエンはPSA(プジョー・シトロエン)グループの一企業です。以前までは革新的な開発でフランス国内で大きな影響があるメーカーでした。
現在はそこまでの勢いはないものの、独創的なデザインやクルマづくりは健在です。シトロエンの1番安い価格の車は「C3」です。
- CITROËN C3 FEEL
- ・本体価格:2,452,000円~
- ・WLTCモード燃費:17.2 km/L
- ・他社には見られない独創的な内外装デザインが魅力
価格はやや高くなりますが、そこはやはりシトロエンならではの魅力があります。
最大の特徴はなんといっても見た目です。フロントマスクの造形に目がいきがちですが、サイドには個性を演出するAIRBUMP®が採用されています。かなり特徴的なので好き嫌いが分かれるでしょうが、他社メーカーにはない発想といえるでしょう。
サイズは大きく見えますが、全長は3.99mと非常にコンパクトです。
WLTCモード燃費:17.2 km/Lと、フランス車メーカーや車のキャラクター(個性)を考えると十分な水準といえるでしょう。
デザイン性を重視してて、おしゃれなフランス車に乗りたいという人におすすめの1台です。

DSオートモービルで新車価格が1番安い「DS 3 Chic」
聞き慣れない人もいるかもしれませんが、DSはシトロエンの高級車ブランドとして2015年に独立しました。
シトロエンよりもさらい内装と外装に磨きをかけ、乗る人だけでなく、見る人をも魅了するデザインに仕上がっています。
DSで最も価格が安いのは「DS 3 Chic」というコンパクトモデルです。
3ドアでコンパクトなので、家族で乗るのは少し厳しいでしょう。
しかし、このクラスにおいては他を寄せ付けない高級感を持ち合わせているのがDS3です。「この値段で、ここまでやるか」と思わせる完成度の高さに、DSの凄さを感じられます。
現在は新車の生産が終了しているため、中古車のみの販売となります。
- 中古車価格帯(カーセンサー):29万円 ~ 265万円
- 新車価格(当時):¥2,590,000~
- 燃費:12.5~13.7km/L
- 特徴:3ドアのコンパクトデザイン。内外装に高級感
メルセデスベンツで新車価格が1番安い「A-Class」

新型A-Class

旧型A-Class
メルセデス・ベンツは、ここ数年日本での販売数を大きく伸ばしています。
ラグジュアリー感を残しながらデザイニングされた車体にファンは歓喜。デザインの変更が大きな成功を呼んだ事例といえそうです。
メルセデス・ベンツの1番価格が安い車種は「A-Class」です。
- ・本体価格:¥4,090,000~(A180)
- ・燃費:15.2km/L(WLTCモード)
- ・流麗な車体デザインが高い人気
メルセデス・ベンツのデザインや内装の良さは言うまでもないかもしれません。
注目したいのは自動緊急ブレーキを標準装備しているところです。
この価格帯なので当然といえば当然ですが、外国車の高級感で自動ブレーキ搭載は嬉しいところ。
そして、他社に先駆けて人工知能(AI)技術の「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」を搭載させたところもメルセデス・ベンツのブランド力を高めています。
もうおなじみの技術ですが、運転中などに「 Hi, Mercedes(ハイ、メルセデス)!」と声をかけることで、道案内やエアコンの操作などを音声だけで行うことができます。
エンジンはDOHC 直列4気筒ターボチャージャーを搭載で、総排気量は1,331ccと控えめです。
性能面では文句なしのA-Classですが、他社の最安車と比べると価格は高めなので要検討といえるでしょう。
メルセデス・ベンツは中古車相場の値下がりが大きい(リセールバリューが低い)とも言われる車種です。
そのため、少しでも購入予算を抑えたいという人は中古車も視野に入れることをおすすめします。

BMWで新車価格が1番安い「1シリーズ」

新型BMW1シリーズ

旧型BMW1シリーズ
BMWはミュンヘンの本社を置く世界的な外国車メーカーです。
独特の印象を持つキドニーグリルを多くの車種で採用しています。ここ数年はキドニーグリルの存在感を全面に押し出しだデザインが多く、1シリーズも例外ではありません(好みは分かれそう)。
以前まではステータスを誇るために乗る人も多かったですが、最近はカー・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど一般向けの安い車種も続々登場しています。
BMWの1番価格が安い車種は「1シリーズ」です。2019年秋に新型が登場し、フロントマスクがよりスタイリッシュになりました。
- ・本体価格:¥3,340,000~
- ・燃費:18.1km/L
- ・BMWのフォルムにさらなる磨きをかけたモデル
コンパクトながら、スポーティな走りを楽しめる1シリーズ。
コネクテッド・ドライブ、SOSコールなど車を楽しみながら守られる感覚が味わえます。先進装備にも力を入れているので、新車として購入しておけば装備には満足できるはずです。
自動運転に近い性能を持ち合わせており、たとえばドライブルートを記憶して自動で後退してくれる「リバースアシスト」などは、狭い道路が多い日本においては強力な装備です。
この価格でこれだけの装備とサービスが充実しているのは必見ですから、予算が許すのであれば候補に入れたい車種ですね。
フォルクスワーゲンで新車価格が1番安い「up!」
世界販売台数をトヨタと競う、誰もが認める自動車メーカーがフォルクスワーゲンです。
排ガス不正問題で失速する時期はありましたが、完全に汚名返上をして、不祥事を過去のものとしています。
価格帯は幅広く、普及車を多く扱っているのが特徴です。フォルクスワーゲンの1番価格が安い車種は「up!」です。
- ・本体価格:¥1,548,000~
- ・燃費:25.9km/L
- ・安くて使いやすく、大切にしたくなる車
up!はそれまで最安車種だとポロに取って代わる大衆向け車種として登場しました。その価格は驚きの154万円〜。
コンパクトさと快適性を兼ね備えた1台は、安い外国車をさがしている人にピッタリです。
低速度域での衝突回避、衝突被害軽減をサポートしてくれる「シティサポートブレーキ」を標準装備しているのも嬉しいところ。
家族で乗るのにも安心できるつくりになっています。価格のわりに性能がよく、満足感は非常に大きい一台といえるでしょう。
現在は新車の生産が終了しているため、中古車のみの販売となります。フォルクスワーゲンの現行モデルで最も価格が安い新車はPoloです。
シンプルでクセがないデザインに仕上がっていて、なおかつ内装の質感も高いので個人的にはすごく好きな車です。
予防安全・衝突安全・二次被害防止を実現する先進の安全装備がすべての車に標準で付いているので安心感も申し分なし。
運転しやすく、質感も良く、安全性も高いクルマということで検討の価値アリです。価格だけ少々高いのが玉にキズという感じ。
- Polo TSI R-Line
- 価格:¥3,155,000~
- JC08モード燃費:17.8km/L
アウディで新車価格が1番安い「A1」
アウディにもコンパクトカーがあり、その中でも一番安いのがA1です。
こちらも非常に小さなサイズで、細い道でも難なく運転できる車となっています。
フロントマスクのデザインはアウディの高級感をそのまま表現していて、正面から見る限りコンパクトカーとは思えない品の良さがあります。
- ・本体価格:¥2,490,000~
- ・燃費:22.9–21.1km/L
- ・高級感はそのままに、コンパクトを思う存分楽しめる
燃費の良さも非常に注目すべきポイントです。A1のライバル車はメルセデス・ベンツ「A-class」とBMW「X1」ですが、アウディのA1は最も燃費性能が高く、ライバル車に勝っています。
A1は3ドアなので、5ドアを求める人は「A1 Sportback」(2,690,000円〜)というモデルを検討してみるといいでしょう。

スウェーデンからは、VOLVO(ボルボ)のV40をおすすめ
ボルボといえば、世界的にも高い安全性能を誇り、日本でも人気のメーカーです。
安さ、という面で見ると、ボルボV40という車種があります。
- ・本体価格:¥2,990,000~
- ・燃費:ー
- ・価格はまずまずだが、インテリセーフで事故激減
値段だけを見ると、他のメーカーよりも高いです。ですから、価格を最優先にして外国車を選ぶのであれば選択肢から外れるでしょう。
しかし、もちろんながら値段相応の価値がV40にはあります。
最大のポイントは、やはり世界一と言っても過言ではない「インテリセーフ」でしょう。ボルボのインテリセーフ搭載車によって、事故率が69%も減少したという報告もあります。
歩行者と自転車を区別する自動ブレーキはもちろん、アダプティブクルーズコントロールも全車標準装備です。
外国車にそこそこの安さと、高い安全性を求めるのであれば、ボルボV40は最有力候補にもなり得る車種です。
サイズも価格もコンパクト!フィアット・500(チンクチェント)
1,998,000円〜という手頃な値段、そしてなによりキュートな見た目で大人気なのがフィアット・500(チンクチェント)です。
そのサイズの小ささのおかげで、せまい道でのハンドリングはラクラクで運転のしやすさは申し分ありません。
さらにフィアット・500(チンクチェント)の燃費性能は24.0km/lと十分な良さです。
ただし、自動ブレーキなどの設定がなく、安全性にはやや不安が残ります。
家族で乗るのは不向きですが、1人乗り or 夫婦で楽しむにはぴったりの車といえるでしょう。
- ・本体価格:¥1,998,000~
- ・燃費:19.4〜24.0km/l
- ・最大の特徴は見た目にあり。イタリア車がこの値段は魅力的

安さを重視するならフォルクスワーゲンup!
国産車に比べるとどうしても価格は高くなりますが、外車は内装やサービスが非常に充実しているのが特徴です。
多少お金に余裕があるのであれば、BMW1シリーズやプジョー208、ボルボV40をオススメします。
もし価格重視で1番安い外車を選ぶのであれば、迷うことなくフォルクスワーゲンup!です。
車の買い替えで、少しでも良いグレードを買う方法
とはいえ、装備を充実させるオプションを付けたり、グレードを上げるのであれば値上がりは避けられません。
ですからなるべく手元に多くの購入資金を用意しておくのがベストです。そのために何ができるでしょうか?
車を買い替える人であれば、いま乗っている車を高く売るのが手っ取り早く確実に予算を確保する方法です。値引き交渉では決して成し得ない金額を、査定額アップで達成することが可能になります。
まずは複数の車買取店に見積もりを出して、必ず比較してください。そうすれば愛車は最高額で売れます。
あなたの車を最高額で売れば、欲しい車が手に入る可能性は高くなりますし、グレードを1つ上げたり、オプションを充実させるのもいいですね。
外車をお得に楽しむためにも、愛車の売却は業者をしっかり比較するようにしましょう。