フランス車って、日本人にはあまり馴染みがない気がします。
日本ではドイツ車が人気で、ルノーもシトロエンもプジョーも街を走る台数がかなり少ない印象です。
そもそも、正直なところフランス車に対してあまり良いイメージを持っている人も少ないように思います。故障が多いとか、デザインがダサいとか、カルロス・ゴーンとか…。
しかし、もはやそういうイメージだけで車を選んでいると、惜しい車を見逃すことになるかもしれません。
というのも、プジョー(PEUGEOT)新型208のデザインがかなり洗練されているからです。そして、見た目だけでなく中身もかなり良し。
今回はプジョー208の外装、内装、安全装備に注目して、くわしく紹介していきたいと思います。
個人的には「これはプジョーの新しい時代が来たかも!」と、少々興奮しております。
207の後継車としてデビュー。最大の特徴は…

画像:プジョー公式サイト
プジョーの208は、同じコンパクト車の207の後継としてデビューしました。
今回紹介するのは、その208の2代目となります。
ナンバリングを増やしていって後継として世に送り出すという手法(?)は、ボルボなどでも見られますが、国産車ではそういったナンバリングを車種名にするのはほとんどないですね(最近のマツダ車はそれに当たるのかも?ちょっと違うか)
僕が思う、プジョー208の最大の特徴は「フロントグリル」です。
先代の208、そして207や206ではフロントグリルがはっきり認識できるようなデザインは採用されていませんでした。

プジョー 207(画像:Wikipedia)
無類のフロントグリル好きの僕にとって、新型208のフロントマスクはひと目見た瞬間から恋に落ちる感覚でした。「これは…!」という感じで、ビビっときちゃったのです。
これまでのプジョー車は全体的にのっぺりとした印象のデザインが多く、僕は個人的にまったく食指が動かない車ばかりでした。
しかし、これほど明確なフロントグリル推しデザインがお目見えしたとなれば、プジョーに対する見方は大きく変えないといけないでしょう。
ちなみに、このデザイン変更は208だけではなく、508でも行われています。つまり、プジョーのデザイン言語的なものが、大きく変更になったと考えていいのではないかと思います。
フロントライトのデザインはライオンがモチーフらしい

画像:プジョー公式サイト
フロントグリルもさることながら、やはり目につくのはフロントライトですよね。
これも今までのプジョーにはない、かなり攻めたデザインだと思います。
プジョーの公式サイトによると、このフロントライトはライオンがモチーフらしいです。
前後のライトは、ライオンがモチーフ。点灯させると、3本のかぎ爪が浮かび上がります。牙のようなLEDデイライトと大型グリルは、新世代プジョーの象徴です。
なるほど。正直、はっきりライオンって言われちゃうと、うーん…って感じですね(笑)
あと、牙のように伸びたLEDライトも好みが分かれそう。視認性UPという実用性もあるので、悪くないかなと思いますが、個人的にはなくてもいいかなと。
僕はどちらかというと、シンプルですっきりしたデザインが好みなので、「牙がない3本のかぎ爪」だけで十分良いデザインになりそうな気がしちゃいます。
ポルシェ・カイエンを彷彿とさせるテールライト

画像:プジョー公式サイト
次はリアのデザインですが、これまたかなり作り込みが細かく、凝った造形になっています。
まず目につくのは、端から端まで一直線に伸びたテールライトです。ブレーキライトの赤い部分は3連になっており、非常に目立ちます。
ここ数年、水平基調のリアを採用する車が増えましたよね。
僕の勝手なイメージですが、この水平基調のリアといえばポルシェ・カイエンなんですよね。
カイエンがこの水平リアデザインを採用したのはわりと最近だと思うんですけど、僕にとってはカイエンが水平リアの代名詞になってます。

画像:Wikipedia
どの車種によって水平基調デザインに火がついたのかわかりませんが、僕はポルシェに採用されている水平基調のリアデザインが非常に好みです。
最近ではアウディ・A7も水平基調ですし、身近なところだと新型トヨタ・ハリアーも水平基調ですよね。

画像:Wikipedia

画像:Wikipedia
208に関しては、やや丸みを帯びた水平基調という感じですが、この感じのデザインを多くの車種が採用し始めているっていうのは興味深い気がします。
なんだろう、水平基調のこの感じが人間に”未来感”という印象を与えるのかな?
内装も大幅改良。本当にコックピットみたい

画像:プジョー公式サイト
お次は内装ですが、これまた明らかに進化したのが感じられるデザインになっています。
まず目につくのはステアリング(ハンドル)の形状でしょうか。最近はこの飛行機のハンドルっぽいデザインを採用する車が増えましたよね。
そして、インパネまわりの造形もかなり細かいです。写真では伝わりませんが、スピードメーターが表示される液晶は3D表示になっています。
ちなみに、プジョーの公式サイトには以下のような説明があります。
小径ステアリングホイールとその上に配置されたインストルメントパネルにより、運転中の視線移動は最低限に。3Dの視覚効果とともに、新しいドライブ体験を生み出します。
208のインストルメントパネルには「PEUGEOT 3D i-Cockpit」という名前が与えられていますが、その名を聞いて納得の仕上がりだと思います。
一点だけ気になるのが、中央ディスプレイのサイズが7インチと、ちょっと小さいかな?ということですね。

画像:プジョー公式サイト
ここ数年、車内ディスプレイはどんどん大型化しているので、もう少し大きくなるとタッチ操作もしやすいですし、視認性も高くなるんですが…。
先進の安全装備も充実してる
プジョーをはじめ、フランス車って安全装備が一歩遅れてるという印象があります。しかし、208に関しては安全装備の心配は不要かと思われます。
まず当然のようにアクティブクルーズコントロールに対応しているので、高速道路ではアクセルとブレーキの操作は不要です。
さらに嬉しいのが自動発進機能がついていること。
プジョーの公式サイトによれば「停止後3秒以内であれば自動的に再発進、3秒以上経過した場合はワンタッチで設定速度まで回復します」とのことなので、
いわゆる渋滞時のノロノロ運転でも、原則としてアクセルとブレーキの操作は不要となります。これはありがたい。
そして、歩行者対応の自動ブレーキも搭載しています。作動範囲が約5~140km/hと広いのも良いですね。
自動ブレーキについては、本当に作動するのか?といったポイントが争点になると思いますので、EURO NCAPの安全性テストの結果などをチェックしておいたほうが良さそうです。
気になるグレードと価格について
208はBセグメントのコンパクトハッチバックということで、お値段は比較的お手頃です。
グレード別の価格は以下のとおりになります。
- 【ガソリンモデル】
- 208 Style 2,399,000 円~
- 208 Allure 2,599,000 円~
- 208 GT Line 2,930,000 円~
- 【EVモデル】
- e-208 Allure 3,899,000 円~
- e-208 GT Line 4,230,000 円~
208には電気自動車も用意されています。よく考えたら、これけっこう大きなトピックでしたね(笑)
e-208は航続距離(JC08モード)403kmとまずまずの水準。価格がガソリン車よりもかなり高いので、費用対効果を考えると正直メリットは薄いかもしれません。
とはいえ、プジョーの大衆車が電気自動車を出してきたというのはけっこうセンセーショナルな気がします。
本格的なEVの普及にむけて、大きな一歩になってくれると良いですよね。
個人的には、208はかなり売れるモデルになるんじゃないかと期待しています。