車って人格が宿るというか、人間が勝手に宿してるだけかもしれませんが、ずっと乗ってると家族のような存在に感じるんですよね。
とはいえ、多くの人が車を売ることからは逃れられません。買い替えたい欲に駆られることもあるし、経済的に厳しくて手放すことも多いでしょう。
かくいう僕も、過去に車を売る瞬間の悲しい気持ちに見舞われたことが幾度となくあります。
もちろん悲しい気持ちは消えないのですが、自分なりに「悲しさを軽減するコツ」みたいなものを学んできたので、紹介したいと思います。
最後に思い出の場所へドライブに行く
僕は車を買い替える前に必ず「思い出の場所」にドライブへ行くようにしています。
逆効果じゃない?と思われそうですが、そうでもありません。
というのも以前、車を買い替えたときに何もせずに手放してしまったことがあるのですが、そのときに猛烈な後悔に襲われた経験があります。「最後にもっとドライブを楽しめばよかった…」と思っても、すでに旧愛車は手元にありません。後悔先に立たず。
この経験をしてから、思い出の場所めぐりは欠かさずにやるようにしています。
僕の場合、海沿い、旅行で行った宿泊先、1番通った最寄りの商業施設などにドライブに行くことが多いです。
これをやっておくと、自分のなかで最後のケジメができるので、気持ちが整理されて悲しい気持ちが軽減されます。
写真をなるべく多く撮っておく
車を手放してしまっても、手元に思い出を振り返ることができる写真があれば、悲しみは軽くなります。
人によっては、写真を見返すことで余計に悲しくなる場合もあるかもしれませんが、僕の場合は悲しい気持ちよりも「懐かしいな」というほのぼのした気持ちになれるので好きです。
ちなみに、たいていの人が車の外観ばかりを写真に撮りがち。もちろん、車の外装も大事ですが、運転している姿や後部座席などの全体像も写真に残しておくことをおすすめします。
僕の場合、家族や友達と一緒に車に行ったときになるべく写真を撮ってもらうようにしていて、スマホのなかに愛車専用の写真フォルダを車種ごとに作ってあります。
溜まった写真を見返すと最高に良い思い出に浸ることができるのでおすすめです。特にかなり昔に乗っていた愛車は、自分の顔や服装も含め変化が激しいので(笑)、見返すのが楽しいです。
プロの画家に車のイラストを描いてもらうのもアリ
もう一つ、意外とおすすめなのが車のイラストをプロの画家に描いてもらうというものです。
A4やA3サイズの大きさで描いてもらうと、丁度いいサイズ感でインテリアとして部屋に飾ることができます。あるいは、ハガキサイズでも良いですね。ポストカード的な感覚なので、冷蔵庫に貼ったり小さい写真立てに入れて机のうえに飾るのもおすすめです。
「いやいや、プロの画家に描いてもらうなんて大げさすぎるでしょ」と思われるかもしれませんが、じつは一昔前に比べて画家に依頼するハードルが劇的に下がっています。
その理由は、ココナラを始めとするWebサービスを活用すれば、プロの画家やイラストレーターに気軽に絵を描いてもらうことができるからです。しかも、2,000円〜という低予算で可能です。
ミニチュアの車を飾ってみる
ちょっと子どもじみた発想に思われてしまうかもしれませんが、僕は歴代乗ってきた愛車のミニチュアカーを部屋に飾っています(笑)
ご存知「トミカ」は、扱ってない車種を探すのがむずかしいほど、いろいろなメーカーのミニチュアカーを販売しています。
部屋に飾ったミニチュアカーを眺めるたびに過去に乗って車に想いを馳せて、懐かしい気分に浸るのが好きです。
目に見えるものがあるだけで、不思議と寂しい気持ちや悲しい気持ちにはならず、楽しい思い出が蘇るのでけっこうおすすめ。
車を売る理由をハッキリさせる
なぜ車を手放す必要があるのか?それをハッキリさせることで自分自身が納得した状態で車を売ることができます。むしろ、その理由がハッキリしていないと「もっと努力していれば、車を売らずに済んだのではないだろうか…」と辛く悲しい気持ちに陥ります。
一体なぜ車を売るのでしょうか?多くの人が当てはまる理由として以下のようなものがあります。
- ・転職で給料が増えた(減った)から
- ・病気やケガの治療で生活費が苦しくなったから
- ・転勤で車を手放す必要があるから
- ・猛烈に欲しい車が見つかってしまったから
- ・結婚や出産で必要な車が変わったから
- ・高齢となり、運転が厳しくなってきたから
これらのうち、「給料が増えた」「猛烈に欲しい車が見つかってしまったから」というのを除けば、すべて売らざるを得ない理由ばかりです。
そもそも、車を維持するのには予想以上にお金がかかるもの。きちんと計算してことがない人は多いと思いますが、ちゃんと維持費を計算すると驚きが大きいです。
たとえば、僕がいま乗っているN-BOXで計算してみました。
- N-BOXの1ヶ月あたりの維持費
- ガソリン代:3,000円
- 保険料:2,058円(24,700円 ÷ 12ヶ月)
- 駐車場代:8,000円
- 自動車税:900円(10,800円 ÷ 12ヶ月)
- 車検代:1,792円(43,030円 ÷ 24ヶ月)
- 洗車代:400円(月1回洗車機を使用)
- 合計:16,150円
- 年間にかかる維持費:193,800円
いかがでしょうか。自分でも計算してみてびっくりしました。軽自動車なのにここまでお金がかかるわけですから、普通車だったらもっと高いはずです。ましてや大型車や輸入車は税金やガソリン代も高いので、維持費はもっと高くつきます。
このように維持費を計算してみると「こりゃヤバいね…」と冷静になれるので、車を売ることに対する抵抗感が薄くなるはずです。

転職や転勤で車を売らざるを得ない場合
特に経済的に厳しいからという理由で車を売る場合、生活費を優先しなければならないので、むしろ売るのが正しい選択です。無理にズルズルと車を維持すると、最悪の場合、借金に手を出す恐れもありますからね。
過去に僕は手取り12万円のアルバイト時代に車を維持しようとしましたが、見事に失敗に終わりました(笑)
話が逸れましたが、転勤などで生活がガラッと変わることで車を売らざるを得ない状況になる人もいます。特に地方→東京近郊への転勤の場合、駐車場代が一気に高くなるので、維持費が大きな負担になります。
また、公共交通機関が発達しているエリアだと、車を使う頻度が減るため、車を所有することに抵抗感を覚えるようになることも。
こうした理由が生じたのであれば、気持ちを切り替えて車を手放したほうが、精神的にもラクに生活が送れるかもしれません。
病気やケガで生活費が苦しくなる場合
仕事や収入が変わらなくても、出費が増えて車の維持がむずかしくなることがあります。その最たる例が、病気やケガです。
たとえば病気やケガの手術では数百万円単位の費用が必要になることがあります。特に手術の場合、特約などを付けていないと医療保険が下りないこともあるので、余計に生活が苦しくなりやすいもの。
車を手放すことでそういった費用をまかなえる可能性は高くなります。
もちろん、病気やケガで車を手放すのは悔しくて辛い瞬間です。しかし、車との楽しい生活は、自分の健康な身体があってこそでもありますよね。
まずは車を手放して身体を治療することに専念する。そのうえで、完治したらまた新しいカーライフをスタートさせる。こういう気持ちの切り替えができれば、悲しさも少しは軽減できるはずです。
結婚や出産で車を買い替える場合
一人身のときと、夫婦や家族と生活するときとでは、当然必要な車のサイズも異なります。
結婚や出産で大きな車に買い替える必要が生じることはよくある話で、そのたびにすべての人が少なからず悲しく寂しい気持ちを経験しています。
例外なく、僕もそうでした。結婚する前はハッチバック(いわゆるコンパクトカー)に乗っていましたが、結婚生活をするうえで明らかに小さかったので買い替えを決意。5年くらい乗っていた車だったので、愛着もすごくて寂しすぎましたが、仕方ないと切り替えました。
結婚や出産は少なからず前向きな変化ですから、それに合わせて車も前向きに売る・手放すという意識が持てれば、かなりラクになると思います。
以上のように、「自分が納得できる理由」「やむを得ない理由」を見つけることは精神的な苦痛を和らげる効果があります。
車の売却では絶対に妥協しない
もう一つ、地味ながら絶対に欠かしてはいけないのが「車の売却方法」です。他の記事でも何度か書いていますが、車を手放すときは下取りよりも買取店に売ることがおすすめ。それも、買取店に持ち込むのではなく、ネットの一括査定で最高額の買取店を見つけて売るべきです。
僕は過去に下取りに出してしまって後悔したことがあります。というのも、下取りに出したあとに、一括査定という存在を知って、思わず査定額を調べてしまったんですね。そのときの後悔と悔しさが入り混じったあの気持ちは今でも忘れられません。
大好きで大切な車が安い金額でしか売れないのは精神的に堪えるものです。反対に、高値で売却できると「自分の大切な車がちゃんと評価されてよかった」という安心感を得ることができます。
売り方を間違えると、向こう半年は立ち直れないくらいのダメージを負うので(苦笑)、車を売るときは確実に一括査定を使うことをおすすめします。