近年、SUV人気がじわじわ高まっています。
一人で乗るも良し、家族など大人数で乗ることもできる利便性は他のタイプの車では得られないメリットです。
今回は国内メーカーで人気のSUVを徹底比較。失敗しない国産車SUVの買い替え方法をチェックしましょう。
そもそもSUVの意味とは?メリット・デメリットについて
まずはSUVの意味とそのメリットについて見ていきましょう。
SUVとはSports Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の略で、日本語では「スポーツ用多目的車」と呼ばれます。
国産車・輸入車問わず、多くの自動車メーカーが生産をしており、最近では各メーカーが特に力を入れているジャンルです。
それを象徴するように、高級車と呼ばれるジャガー「F-PACE」やマセラティ「レヴァンテ」、さらにはベントレー「ベンテイガ」といった新型SUVが2016年に続々と投入されました。
これからは各メーカーが競ってSUVを投入することが容易に予想されます。それだけ、いま市場ではSUVが人気なのです。
SUVの特徴とは?どんなメリットがある?
名前のとおり、走りはスポーツ感覚を刺激する乗り心地です。車高が高く、悪路走破性が高いのも特徴の1つといえるでしょう。
ほとんどのSUVは4WD(四輪駆動)を選ぶことができるので、雪道やキャンプなどで活躍します。
また、コンパクトカーなどに比べると車体が大きく、室内空間が広いのも特徴です。5人乗り、7人乗りなど大人数での乗車に向いています。
車高が高いので運転しやすいのも大きなメリットです。ワゴン車に比べると大きすぎないので、一人で乗るのにもちょうど良いサイズです。
SUVにもデメリットはある?
車体が大きい分、運転するのがむずかしいというデメリットがあります。車庫入れや細い路地では、扱いに苦心する状況も少なくありません。
どうしてもSUVを選ぶのであれば、運転のしやすいSUVという観点で選んだほうが良いでしょう。
また、車高が高いとはいえ、視野が決して広くありません。ワゴン車に比べるとリアの角度がきつく、サイドの距離感覚もつかみにくいと言えます。
さらに、一般的な車種よりも自動車保険料が高くなる傾向があります。車種によってもちがいますが、コンパクトカーや軽自動車に比べるとどうしても維持費が高くつくのは避けられません。
国産メーカー別・おすすめのSUVを徹底比較!
さて、ここからは国産車メーカーごとにSUVを比較していきます。
SUVを扱っていないメーカーはほとんどなく、多いメーカーでは複数のSUV車種を扱っています。
予算によってSUVの選び方は大きく変わってくるでしょうから、実際の販売価格も合わせてご紹介します。
トヨタのSUV車種一覧
- ・FJクルーザー
- ・C-HR
- ・ハリアー
- ・ランドクルーザー
- ・ランドクルーザープラド
可愛い見た目と強靭な走り「FJクルーザー」
もともとは北米専用車として投入されたFJクルーザー。その愛くるしい見た目と、遊べる楽しさから日本国内からも注目が集まり、北米から”逆輸入された”という経緯があります。
カラーも特徴的で、ほかのSUVにはない車体色が選べるのが大きな特徴です。ビビッドなイエローもあれば、シックなグレイもある。
他の人とはちがう国産SUVを乗りたいという人には、真っ先におすすめしたい1台です。
ただし、2ドアなので乗り降りのしにくさは気になります(ただし、観音開き)。また、燃費がJC08モードで8.0km/Lという数値なので、燃費を重視する人にはおすすめできません。
- FJクルーザー
- 燃費:8.0km/L
- 価格:3,240,000円〜
- 乗車人数:5人
独自性の高いデザインとすぐれた走行性能「C-HR」
コンセプトカーのような見た目が特徴的な、トヨタ渾身のSUVです。
ゴツゴツしたデザインながら、走りはしなやかで独創的。実際、販売台数は非常に順調で高い人気を誇っています。
室内空間はかなり高級感があり、インテリアは洗練されています。競合とはならないまでも、ハリアーを思わせるような質感です。
安全性能については「Toyota Safety Sense P」を採用していて、ミリ波レーダーと単眼カメラを併用した検知センサーを搭載しています。
スバルのアイサイトには及びませんが、衝突回避性能はまずまずです。
2WDのハイブリッド車、4WDのガソリン車が設定されています。カスタマイズカーが充実しているのも特徴です。
デメリットとしては、室内がせまいということです。乗ったときの開放感はほとんど感じられず、天井高の低さが気になります。
また、リアガラスの角度がきつく、サイドガラスも面積が小さいので、後方の視界はかなり狭いです。運転しやすいSUVとは言えません。
- C-HR(シーエイチアール)
- 燃費:30.2km/L(ハイブリッド車)、15.4km/L(ガソリン車)
- 価格:2,516,400円〜
- 乗車人数:5人
高級感を身にまとった、大人気SUV「ハリアー」
”ラグジュアリーSUV”というコンセプトを打ち出し、長いこと売れ続けているのがハリアーです。
外観のスタイリッシュさもさることながら、最大の魅力は内装の高級感です。ハンドルからシート、さらにはインパネまわりの細部にまで高級感が漂うつくりは、国内のSUVに競合はないと言わしめる出来の良さです。
「H.H.」という名の、ハリアーハイブリッドがモデル後期になって投入されるという異例のモデル展開が行われました。
「PREMIUM“Advanced Package”(ハイブリッド車)」は4,591,963円と高めの設定ですが、「ELEGANCE(ガソリン車)」は2,880,000円となっていて、グレードによって価格差が大きいです。
デメリットはやや割高な車体価格です。高級感はあるものの、ハイブリッド仕様になるだけで約170万円も高くなるのは考えどころです。
ハイブリッド車を選ぶことで毎月の燃料費は節約できますが、トータルコストを考えるとガソリン車を選ぶほうが賢明かもしれません。
選び方としては、ハリアーの外装と放たれる高級感に心を掴まれた人がチョイスすべき、といったところでしょうか。
- ハリアー
- 燃費:21.4km(ハイブリッド車)、14.8km/L〜(ガソリン車)
- 価格:2,880,000円〜
- 乗車人数:5人
世界的ブランドSUV「ランドクルーザー」
ランドクルーザーについては、もはや説明が不要なほど世界的に名前の知られたSUVです。
圧倒的な耐久性によって、日本のみならず多くの外国でも利用されています。それも、過酷な環境下での利用が多いのも特徴です。
ランドクルーザーがすごいのは、タフで悪路走破性が高いながらも、車内のインテリアや内装に高級感を持たせているところ。
グレードごとに設定は異なりますが、本革シートや本革ステアリングを採用している本格SUVは他に見られません。
具体的な走行距離で言えば、10万キロは序の口。20万、30万キロと乗ってもまだまだ頑丈さは失われません。
安全性能の高さも”ランクル”の強みです。トヨタでは初めてとなる歩行者検知機能付きのプリクラッシュセーフティシステムを採用。車との衝突だけでなく、歩行者に対しても安全性の高いつくりとなっています。
世界的SUVとしてふさわしい走行性能と安全装備を備えており、このあたりは文句のつけようがありません。
一方、最大のデメリットは燃費の悪さにあります。グレードごとに差はありますが、たとえば特別仕様車 ZX“G-FRONTIER”だと、燃費消費率は6.7km/Lとなっています。これはあらゆるSUVのなかでも最低クラスです。
そのぶん、ガソリンタンクの容量が大きいわけですが、毎月の維持費を安くしたい人にはとてもオススメできません。
また、車体が非常に大きいので小回りや運転のしやすさを求める人にも向いていないでしょう。
- ランドクルーザー
- 燃費:6.7km/L〜
- 価格:4,728,437円〜
- 乗車人数:5人〜8人
”手の届く”ランクル「ランドクルーザープラド」
ランドクルーザープラドは、わかりやすくいえば”ライト版ランドクルーザー”という位置付けです。
価格、性能ともにランドクルーザーよりも抑えめにしながら、ランクルの良さを楽しむことができます。
燃費はわずかながらランクルよりも向上していますが、それでも11.8km/L(ディーゼル車)とまずまず。
安全性能については、プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)を採用しているものの、万全とは言い難いです。
総評としては、ランドクルーザーのブランドや安心感を体感してみたいけど値段に手が届かないときの選択肢として選ぶことになるでしょう。また、エクステリア(見た目)も本家ランドクルーザーとは印象がかなりちがうので、好みに応じてプラドを選ぶという人もいるかもしれません。
- ランドクルーザープラド
- 燃費:11.8km/L(ディーゼル車)
- 価格:3,504,109円〜
- 乗車人数:5人〜7人
トヨタSUVの正しい選び方とは?
トヨタだけをとっても、これだけのSUV選択肢があるわけです。似ているようで、各車種ともに明確なちがいがあります。
ここではわかりやすい例として、価格によって選び方を分けてみたいと思います。
- 250〜300万円ならC-HR
- 300〜400万円ならFJクルーザー
- 300〜500万円ならハリアーorプラド
- 500〜800万円ならランドクルーザー
ただし、FJクルーザーはかなり好みが分かれるところなので、実際にはC-HRの価格帯とハリアーの価格帯で悩むことになるかもしれません。
いずれにしても、SUVは他のタイプに比べると価格が高めです。なるべくいま乗っている愛車を高く売るなどして、予算を多く集める必要があるでしょう。
下取りよりも車買取店で査定をしてもらったほうが確実に高く売却できるので、SUVを購入する前に愛車の相場をチェックしておきましょう。