転勤になると、アレコレやることがあって大変ですが、特に気をつけたいのが「車をどうるか?」についてです。
そのまま転勤先に持っていくのもアリですが、場合によっては費用が大きな負担になることもありますし、転勤先で駐車場が確保できなければ車を持つことはできなくなります。
今回は転勤時に注意したい車の所有&売却について解説していきます。
転勤時に注意したい「車の処遇」について

画像:ホンダ公式サイト
転勤が決まると、まず最初に引っ越し先のことを考えるわけですが、それと同時に車をどうするかについても早いうちに決める必要があります。
転勤先で賃貸を借りるのか、社宅に住むのかによっても対応は変わりますので、ひとまず新しい入居先について情報を集めるのが得策です。
転勤で車をどうするのか、選択肢は大きく分けて3つあります。
- 転勤に伴う車の対応
- ① 転勤に合わせて車を手放す(売却する)
- ② 転勤前(現在)の場所に車を置いておく
- ③ 転勤先に車を持っていく
① 転勤に合わせて車を手放す(売却する)
転勤にあたって、車を持つ理由が見当たらない場合には、無理に持ち続けるのではなく手放したほうが賢明です。
「転勤先の駐車場代が高い」、「駐車場が確保できない」、「車ではなく電車移動でなんとかなりそう」という状況であれば、車を保有するメリットは少ないかもしれません。
また、車を運ぶための費用もバカになりません。隣県への転勤ぐらいなら高速道路ですぐに移動できますが、極端な話、北海道→沖縄への転勤になるとフェリー輸送で10万円近くの費用がかかります。
輸送費なども総合的に考えたうえで、手放すメリットのほうが大きい場合は、潔く売却したほうが良いでしょう。
ちなみに、車を売却する場合は、買取店への持ち込みよりもネットの無料一括査定を使ったほうが断然高く売れます。
迂闊に車を売ってしまうと売却額で損をすることがあるので十分注意しましょう。
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② 転勤前(現在)の場所に車を置いておく
転勤が1ヶ月などの短期(ほぼ出張)の場合、車を現在の場所に停めておいたままにしておくという選択肢もあります。
あくまでも転勤期間が短く、転勤が終わったら戻ってくるというのが確定している場合のみです。
転勤が2〜3年という長期間に渡る場合でも、現在の駐車場に停めておくことはできますが、以下のような諸々の諸費用が発生します。車を使わないのに費用だけはかかってしまうため、現実的ではありません。
- 車を保管するだけでもかかる諸費用
- ・駐車場代
- ・自動車税
- ・自動車保険料
単身赴任などで家族がいる場合は、家族が使えるので問題ありませんが、一人暮らしの場合は無駄なお金がかかるだけなのでおすすめできません。
また、屋根付きであろうとなかろうと、駐車場に長期間クルマを置きっぱなしにすると、土埃などの汚れが蓄積してしまい、車体にもよくありません。
さらに、あまりにも汚れたクルマを長期間置きっぱなしにしていると、駐車場の景観が損なわれるため、周辺の利用者に迷惑になることがあります(駐車場の管理者に注意される可能性も)。
以上の理由から「(家族はいるが)単身の転勤である」「転勤が短い」といった事情を除き、長期間におよぶ転勤ではクルマをそのまま置いておくのはおすすめできません。

③ 転勤先に車を持っていく
転勤先に車をそのまま持っていくというのは、いたって自然で抵抗感も少なく、買い替えや売却も発生しないので最も妥当な手段だと感じるかもしれません。
ただ、転勤に伴う車の移動には意外な落とし穴があることにも注意しておきましょう。
- 転勤先に車を持っていくときの注意点
- 1. 転勤先の住居や近所に駐車場はあるか
- 2. 駐車場代は高くないか(生活に影響は出ないか)
- 3. 転勤先の駐車場に車は入るか(サイズの問題)
- 4. 転勤先で本当に車は使うか?(公共交通機関で代替できないか)
1. 転勤先の住居や近所に駐車場はあるか
当たり前の話ですが、転勤先の住居や近所に駐車場があるかどうか事前に確認しておきましょう。
マンションやアパートの場合、敷地内に駐車場があったとしても、契約車両が満杯で車が駐められない可能性もあります。必ずしも戸数分の駐車場があるとは限らないので。
また、転勤先の住居の近所にある月極駐車場を利用する場合、自宅からの距離がどれくらいあるのか(徒歩分数)を調べておくことも欠かせません。
僕はかつて、自宅から歩いて2分くらいの場所に駐車場を借りたことがあります。契約前は全然余裕だと思っていたのですが、実際に使い始めると遠くて非常に不便だったことがあります(特に大きな買い物をしたときなど)。
転勤先にあらかじめ足を運んで近所を歩きながら駐車場を探すのが理想ですが、そうもいかない場合もあるはずです。その場合には、Googleマップやストリートビューを使って、自宅や駐車場の周辺をチェックしておくだけでも十分やる価値があると思います。

2. 駐車場代は高くないか(生活に影響は出ないか)
駐車場代はいわゆる「固定費」に分類されるため、一度契約してしまうと半永久的に費用が発生します。食費や光熱費とはちがって、節約云々で安くできるものではありません。
つまり、転勤した最初の段階で駐車場が高いとわかっているのであれば無理はしないほうが良いということです。
東京→地方への転勤であれば、駐車場がむしろ安くなることがほとんどなのでそこまで問題にならないでしょう。
反対に、地方→東京への転勤になる場合、おそらく駐車場の高さに驚かされるはずです。もちろん、東京都内でもエリアによって駐車場代は千差万別ですが、一等地になってくると駐車場だけで1ヶ月10万円かかることもザラにあります。
転勤前に駐車場代についてはしっかり調べておき、生活費との兼ね合いをしっかり計算しておくようにしましょう。もし駐車場代が家計の負担になるのであれば、転勤前に手放しておくのが賢明です。

3. 転勤先の駐車場に車は入るか(サイズの問題)
もう一つ、意外と見落としがちなのが「サイズ」の問題です。つまり、新しい駐車場のサイズと車の大きさが合うかどうかを確認しておくようにしましょう。
一般的な屋外の月極駐車場なら、1台あたりの横幅や縦幅がだいたい同じなのでそこまで気にかける必要はないかもしれません。しかし、周辺道路が極端に狭かったり、他の車との位置関係で出し入れしづらい可能性もあります。
また、月極の立体駐車場の場合、車高が高いと入れられない可能性も考えられます。ですから、全幅・全高・全長についてはしっかり確認しておいたほうが安心です。
これも僕の経験談なのですが、以前、東京都の中野区に引っ越した際に借りた駐車場はサイズこそ問題なかったのですが、周りの道が住宅街で極端に狭く、幹線道路に出るまで大変な苦労をするような場所でした。

4. 転勤先で本当に車は使うか?
いま車を頻繁に使う人でも、環境が変わると使用頻度が一変することがあります。具体的には、公共交通機関(電車、バスなど)が発達しているケースです。
言うまでもなく、駅チカ物件であれば車の使用頻度は確実に減ります。電車で移動できますし、徒歩圏内で買い物も済ませることができるからです。車を走らせることが好きな人を除けば、車を使う機会は減るでしょう。
転勤先に車を持っていくか迷っているのであれば、まずは転勤先の新居が駅徒歩何分かを確認し、電車移動が中心になりそうかどうか検討してみることをおすすめします。
また、さきほど説明したとおり、家(駐車場)の周りが細い道で入り組んでいる場合、車を出す気力が失せる可能性もあります。駅徒歩だけでなく、周辺道路の状況も合わせて確認しておくと失敗が少なくなるはずです。