「車種のちがいはわかってもグレードの違いがわからない」という人は多いと思います。
車種名はよく耳にするので理解しやすいですが、グレード名ってふだんはあまり意識しないですからね。
それと、「G」とか「Z」とかただのアルファベットがグレード名になっていたりするのもわかりにくい原因の1つです。
「何がどう違うんだよ…」と言いたくなることもしばしばあります。
それに比べると、ボルボのグレード名はわりと理解しやすいはずです。
ボルボのグレードごとの差を比較し、それぞれのグレードの特徴について解説します。
ボルボのグレード名を比較。名称はわかりやすい
まず最初に、ボルボのグレード名称をすべて見ておきましょう。車種によって付いているグレード名は異なりますが、おおむね共通しています。以下はボルボV40のグレードです。
- ① Kinetic(キネティック)
- ② Momentum(モメンタム)
- ③ Inscription(インスクリプション)
- ④ R-Design(アールデザイン)
グレード | 価格 | 燃費(WLTCモード) |
---|---|---|
Adventure | 3,137,400円 | 15.2km/L |
G“Z package” | 3,348,000円 | 15.2km/L |
G | 3,202,200円 | 15.2km/L |
X | 2,608,200円〜 | 15.2〜15.8km/L |
HYBRID G | 3,817,800円 | 20.6km/L |
HYBRID X | 3,202,200円〜 | 21.4km/L〜 |
① 「Kinetic = 動的な、活動的な」1番安いベースグレード

V40 T2 Kinetic
ボルボのなかで1番安く、お求めやすいグレードについている名称が「Kinetic」です。
キネティックとは英語で「動的な、活動的な」を意味する形容詞です。これといって特に深い意味はありません。
ボルボは全車種で安全装備を標準仕様としていて、車種やグレードによる安全装備の差はありません。
キネティックが他とちがうのは、オーディオやシートまわりがシンプルなつくりになっていること。
つまり、他のグレードとの差は、座席やオーディオなどの装備にあるということです。たとえばナビなどは基本的に付いてません。
外装についてはグレードごとの差がほとんどない(ホイールがちがうくらい)なので、なるべく手頃な価格でボルボに乗りたいという人はKineticグレードでも十分おすすめです。
一部国産車メーカーでありがちな「ベースグレードだと内装や装備がスカスカ」ということはないのでご安心を。
② 「Momentum = 弾み、推進力」は中間グレード

V40 D4 Momentum
2番目のグレードは「Momentum」(モメンタム)です。
Momentumは英語で「弾み、推進力」を意味する名詞。余談ですが、Kineticは形容詞なのに、Momentumは名詞なんですね。
中間グレードということもあって、量販車仕様になっています。つまり、価格や内外装が最もちょうどいい感じのグレードに仕上がっているということです。
シートは布地ではありますが、ナビは標準仕様ですし、パワーシート(※)も標準で搭載しています(※パワーシート = 電動でスライドしたり、リクライニングする)。
そこそこの価格で、それなりの内外装を求めるのであればモメンタムを選んでおけば間違いないでしょう。
③ 「Inscription = 碑文、刻むこと」上級グレード

V40 D4 Inscription
「碑文」を意味するInscription(インスクリプション)は、ボルボの上級グレードです。
Inscriptionになると、シートは全車が本革になります。
また、KineticやMomentumと比較すると、ホイールのリムの直径が大きくなるのも特徴です。
プレミアムサウンド・オーディオシステムが搭載されているのも特徴で、Inscriptionからはharman/kardon10スピーカーが標準装備となります。
Momentumよりも内装が充実する(より磨きがかかる)ので、少し予算に余裕があればInscriptionを選びたいところです。個人的にはMomentumでも十分だとは思いますが。
④ R-Designは洗練された最上位グレード

V40 T5 R-Design Final Edition
「ボルボといえばR-Design」という人もいるなど、ボルボの代名詞となりつつあるのがR-Designグレードです。
Inscriputiotonよりも高く、ボルボのなかでも最上位を表すグレード名となっています。
R-DesignのRは「Refinement = 洗練」を意味していて、R-Design専用の内装が用意されているなど、ボルボにとっても重要な位置づけとなるグレードです。
デザインはどちらかというとスポーティなので、R-DesignのRを「RacingのR」と解釈している人も多いかもしれませんね。
当然ながら最上位なので価格も高くなっていて、1番安いKineticグレードと比べると最大で170万円近い差があります。
内外装はもとより、使われているエンジンも違いますので、この価格差はあって当然ではあります。
ボルボのR-Designは、パッと見ただけだと他グレートとの区別がつきにくいデザインです。ただ、そこに奥ゆかしさを感じられるのがR-Design、ひいてはボルボの良さなのかなと僕は個人的に思っています。
なお、車種によってはR-Designが設定されていないのでご注意を。
迷ったらMomentumグレードを買っておくのがおすすめ

V60 T5 Momentum
どの車種を買うときもそうですが、結局のところ「どのグレードを買うのが自分にとって最良の選択なのか?」というのは迷うところだと思います。
もし迷ってどうしようもないときは、中間グレードを選んでおくのがおすすめです。ボルボV40でいえばMomentumになります。
MomentumはオーディオシステムこそInscriptionに劣りますが、それ以外の内外装には大きな欠点がありません。
価格はKineticに比べると50万円〜は高くなってしまいますが、それでも選ぶ価値はあるかなと個人的に思ってます。
ちなみに、R-Designは趣味の領域なので、パッと見たときに心を掴まれた人以外は検討する必要はないでしょう。
車種によってグレードの優劣は異なるので注意

XC40 T4 AWD Momentum
ここで紹介したのは、あくまでもV40のグレードです。
ボルボは基本的にどの車種でも同じグレード名称で表記されていますが、車種によってグレードの優劣がちがうことがあります。
たとえば、XC40の場合だと最上位グレードはR-DesignではなくInscriptionになっています。
V60 Cross CountryだとKineticやMomentumという名称が使われていなかったりします。
ただ、このような例外を除けば、最初に掲示した下記のグレードの優劣は基本的に変わりません。