以前までのボルボは角ばったデザインが主流でしたが、ここ数年で流線形の丸みを帯びたボディが採用されはじめました。
その先陣を切ったのがボルボ・XC60。ボルボの車種のなかでは、ミドルグレードの価格帯です。
ボルボ・XC60の価格や燃費性能、そして値引き額はどれくらいなのでしょうか?実際に試乗してきましたので、評判・評価を含めて解説します。
XC60のグレードと価格帯は幅広い
XC60のグレードは以下の6タイプで、価格帯が広く設定されています(表は横スクロールできます)。
車種&グレード | 価格(税込) | WLTCモード燃費 | エンジン |
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XC60 B5 AWD Momentum | ¥6,690,000 | 12.1km/L | 水冷直列4気筒DOHC 16バルブ (インタークーラー付ターボチャージャー) +電気モーター |
XC60 B5 AWD Inscription | ¥7,690,000 | 12.1km/L | 水冷直列4気筒DOHC 16バルブ (インタークーラー付ターボチャージャー) +電気モーター |
XC60 B6 AWD R-Design | ¥8,290,000 | 10.9km/L | 水冷直列4気筒DOHC 16バルブ (インタークーラー付ターボチャージャー&電動スーパーチャージャー) +電気モーター |
XC60 Recharge Plug-in hybrid T6 AWD Inscription Expression | ¥8,190,000 | 14.3km/L | 水冷直列4気筒DOHC 16バルブ (インタークーラー付ターボチャージャー) +電気モーター |
XC60 Recharge Plug-in hybrid T6 AWD Inscription | ¥9,340,000 | 14.3km/L | 水冷直列4気筒DOHC 16バルブ (インタークーラー付ターボチャージャー) +電気モーター |
¥6,690,000〜¥9,340,000と、同じ車種でありながらグレードによって価格差が300万円以上あります。
旧型のXC60は「T5」「T5 SE」「T5 R-DESIGN」の3タイプがFF仕様でした。しかし、新型のXC60はすべてのグレードが電子制御AWDシステム(四輪駆動)となっています。
悪路を走行することが多い人でも、安心してグレード選びをすることができますね。XC60にSUVとしての悪路走破性を求める人は多くないかもしれませんが、走りの充実度はやはり4WDのほうが上です。燃費を重視するのであればFFのほうがメリットは大きいんですけどね。
エンジンはいずれのグレードにもターボを採用しているので、動力性能は十分なレベルです。
ボディサイズは全長4,710mm、全幅1,900mmと大きめになっています。
XC60のサイズ (B5 AWD Momentum) |
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全長 | 4,710mm |
全幅 | 1,900mm |
全高 | 1,660mm |
ホイールベース | 2,865mm |
トレッド | 1,655mm |
最低地上高 | 215mm |
車両重量 | 1,870kg |
車両総重量 | 2,145kg |
実際、僕は試乗をしてきたのですが、狭い道を通るときには、想像以上に大きな車体が気になりました。
小さい車からXC60に買い替える場合、運転感覚がかなり違うので、購入前に試乗をしてチェックしておくことをおすすめします。

XC60の内装は非常に高い質感
XC60は2017-2018の日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞、2018年にはワールド・カー・オブ・ザ・イヤー受賞を成し遂げるなど、圧倒的な実績を残しています。その実績と、内装の充実度は切っても切り離せません。
北欧のハイセンスさを感じさせるインテリアと、全車に標準装備されているワイドディスプレイのHDDナビが居住空間の質を高めてくれます。
シートは前席・後席ともに広々とした空間が確保されています。試乗して座った感じだと、天井も高めなので窮屈感はまったくありませんでした。
最近はスタイル(見た目)重視のSUVが増えているせいで、天井高が低くて室内が狭いことが多いのですが、それと比べるとXC60の広さは十分です。
体の大きな欧米人向けにつくられていることもあり、長時間乗っていても疲れを感じさせないつくりは見事というしかありません。
旅行はもちろん、SUVとしての性能を活用してアウトドアに出かけるのもいいですね。
XC60はアウトドアや街乗りなど、あらゆるシーンに対応する能力を兼ね備えた車といえるでしょう。
XC60の安全性能は世界的に見ても優秀
XC60、というよりボルボ車の安全性能は、世界的に見ても高い水準です。
最大の特徴は、自転車や歩行者も(さらには動物も)見分ける衝突回避支援センサーです。ぶつかりそうになると自動ブレーキが作動するので、事故を未然に防いでくれます。
ブレーキセンサーは国内外問わず多くのメーカーで採用されていますが、歩行者と自転車を見分ける技術はまだ広くは普及していません。
また、車線の逸脱や危険な車線変更を回避するシステムを搭載しています。長距離の運転で疲れを感じた場合でも、万が一の衝突や接触を防いでくれるので安心です。
これらの安全装備はXC60はもちろん、全てのモデルに標準で付いています。グレードを気にすることなく安全性の高い車選びができるのがボルボの魅力といえるでしょう。
また、新型になって、City Safetyが全車に搭載されました。
- ・衝突回避・軽減フルオートブレーキシステム
- ・インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)
- ・ステアリング・サポート(衝突回避支援機能)
- ・歩行者・サイクリスト・大型動物検知機能(夜間含む)
シティセーフは世界的に見ても非常に能力の高い安全装置ですが、やはり注目すべきは歩行者や自転車(サイクリスト)を識別することでしょう。
安全性を優先して車選びはしたい人にも、XC60は満を持しておすすめできます。
僕は車選びに安全性(特に歩行者対応の自動ブレーキ)を最重視しているので、購入候補としてはXC60(あるいはXC40)が筆頭に上がってきます。
さらにいうと、こうした安全装備のおかげもあってボルボ車のブランド力が大幅に向上し、リセールバリューの高さにも貢献しています。
事実、現在のボルボ車が総じて中古車価格が高くなっていることがその証左です。
燃費を優先したければプラグインハイブリッドを選ぼう
燃費はWLTCモードで10.9〜14.3km/Lとまずまず。実質燃費は10km/L前後でしょう。ハイオクガソリン(無縁プレミアム)を燃料としているので、燃料代が高くつきます。
ガソリン価格が上がると維持費の負担が大きくなるのがネックとなるかもしれません。さらに、街乗りになるとさらに燃費は悪くなるので、ここを欠点にあげる人も少なくありません。
もし燃料費を安くしたいのであれば、プラグインハイブリッドを選ぶと良いでしょう。車両価格も高いので単純比較はできませんが、通常グレードのガソリン車よりは確実に燃料費を節約することができます。
ちなみに、僕が試乗したXC60は当時のディーゼルエンジンでしたが、正直なところ言われなきゃディーゼルエンジンとは気づかないくらい走りが静かでした。
現在はハイオクガソリンで統一されているので、ディーゼルが欲しい人は中古車を探す必要があります。
XC60の値引き額はどれくらい?
XC60の値引き額は10〜40万円が相場です。国産車にくらべると、値引きは限られてしまうのが実情です。
そもそもボルボというブランド価値が高いこともあり、ディーラーとしては「値引きに応じなくても買い手はつく」というスタンスをとっている可能性があります。
特に、ボルボのディーラーは値引きに関してそこまで積極的ではありません。中古車価格の高さも、それを証明しています。
ですから、競合車種(ライバル車)を引き合いに出して値引きをすることは必須といえるでしょう。
XC60の競合車種は以下のとおりです。
- ・アウディ Q5
- ・フォルクスワーゲン トゥアレグ
- ・BMW X3
それぞれのディーラーで新車の見積もりをもらい、担当者に値引き交渉をしましょう。
ディーラーは他社のライバル車には敏感ですから、価格を比較することで値引きを引き出しやすくなります。
いまの愛車を高く売って、購入資金を確保する
また、車両の値引きは限界があります。ですので、車の買い替えであれば下取り価格を上げることが重要です。
ディーラーの下取りだけでなく、その他の買取店での査定額を交渉材料に使うと予想以上の下取り額を引き出すことができます。
競争心理を上手く活用することが、新車を安く買うためのコツです。
一括査定を使うと簡単に複数の買取業者から見積もりを出してもらえます。車を購入する前に、まずは愛車の査定額をチェックしてみましょう。