フォルクスワーゲンのアルテオン、個人的にはすごいかっこいいデザインだと思います。
水平基調のなかに、フロントグリルがアクセントとなってアルテオンの質感の高さを感じさせてくれます。
さて、どんな良い車でもやっぱり安く買いたい!というのが誰しもの本音。値引き額がいくらまで引き出せるのか調査しました。
そして、価格帯が近いパサートとアルテオンは何が違うのかも比較してみましょう。
アルテオンのデザインが優れている理由
わたしはアルテオンの最大の売りはフロントマスクのデザインにあると思っています。
フォルクスワーゲンの最近のラインナップは水平基調が多く、どちらかというと”普通”といえるデザインでした。
しかし、アルテオンはフロントマスクをかなり目立つデザインに仕上げています。いま流行りの”オラオラ系”とまではいかないですが、かなり主張が強いグリルです。
どことなくアウディのフロントグリルとも近い印象でしょうか。
アルテオンはクーペ寄りのデザイン
後方のデザインはリアからトランクルームにかけての曲線が長いこともあり、セダンよりもクーペのような印象を与えます。
リアのデザインを比較するとパサートのほうがよりセダンっぽさを感じさせるつくりですね。
テールランプに工夫が欲しかった
後ろから見たデザインは、アルテオンのほうがやや小ぶりな印象です。
テールランプの形はほとんど一緒ですが、アルテオンのほうがより細くなっています。
個人的な好みですが、テールランプをもうちょっとゴツく作って欲しかったですね。わたしは初代・日産フーガのテールランプのかたちが大好きなので(笑)
正直、テールランプのデザインはアルテオンもパサートもいまいちだと思います。
というより、フォルクスワーゲンの車種は全体的にリアのデザインが物足りないです。
荷室容量の多さがアルテオンの大きな武器
アルテオンはミドルクラスの高級車という位置づけでありながら、荷室容量の良さもアピールしています。
実際、パサートと比べてみると容量の多さは引けをとりません。後部座席を倒すと、パサートよりもアルテオンのほうが上回ります。
ちなみに、アルテオンもパサートもゴルフバッグを積めることを公式サイトで大いにアピールしています。
- ■ 荷室容量(後部座席を倒した場合)
- アルテオン: 563(1557)ℓ
- パサート: 586(1152)ℓ
アルテオンのエンジン性能は断然良い
エンジン性能と価格は比例するものですが、アルテオンのエンジンはパサートのそれをはるかに超えてきます。
下記はアルテオンとパサートの最下グレードの最高出力とトルクを比較したものです。
- ■ 最高出力(ネット値) kw
- アルテオン: 206
- パサート: 110
- ■ 最高トルク(ネット値) Nm
- アルテオン: 350
- パサート: 250
エンジンのことがよくわからない人でも、数字を比較すれば一目瞭然かと思います。
ただし、燃費性能についてはアルテオン(13.3km/L)よりもパサート(20.4km/L)のほうが上回ります。
エンジン性能の良さと燃費性能が両立できる日が来るまで、まだ時間がかかりそうですね。。
室内空間に大きな違いは無し!パサートもアルテオンも質感は良い
室内空間のインテリアやインパネ(運転席まわり)のデザインや質感は、アルテオンもパサートも大きな差はありません。
どちらもナパレザーを使ったシートを選ぶことができて、シートカラーもほぼ同じラインナップです。
インテリアライト、シートヒーター、運転席のマッサージ機能はアルテオンとパサートどちらにも搭載されていています。インテリアの装備に限っては大きな差は見いだせません。
そのため、インテリアだけを見るのであれば、パサートのほうがコストパフォーマンスは優れているでしょう。
アルテオンとパサートの安全性能はほぼ互角
- レーンキープアシストシステム(車線逸脱を回避)
- 渋滞時追従支援システム
- クルーズコントロール(一定の車間距離を維持)
- レーンチェンジアシスト(車両後方約70mまでの範囲をモニタリング)
- リヤトラフィックアラート(出庫時の後方の安全確認をサポート)
- パークディスタンスコントロール(駐車時の障害物を検知)
- プリクラッシュブレーキシステム(歩行者と車を検知して自動ブレーキ)
- プロアクティブ・オキュパント・プロテクション※
上記は、アルテオンとパサートに共通して装備されている安全装置です。
基本的に「最低限、これだけの安全機能は欲しいな!」というものは、アルテオンもパサートも装備されています。
たとえば高速道路での渋滞時追従支援システムや前車追従機能、あとは歩行者対応の自動ブレーキなどです。
比較してみて、アルテオンの優位性はどこにあるかといえば、たとえば以下の機能です(パサートはグレード別 or オプション対応)。
- 9エアバッグ(エアバッグの数が多い)
- ダイナミックコーナリングライト(ライトがステアリングと連動)
- スタティックコーナリングライト(低速でカーブを曲がる時に歩行者へ照灯)
もちろん、どれもあると嬉しい安全機能ですが「正直、なくてもOKかも」という安全装備とも言えます。
そのため、パサートとアルテオンの安全装備に決定的な差はないと考えてもいいでしょう。
ただし、注意点があります。それは、アルテオンの装備はほとんどが標準装備だということ。
つまり、パサートではオプションだけど、アルテオンは追加料金不要ということなのです。
もしパサートでアルテオンと同等の安全装備を求めようとすると、結果的に価格が同じくらいになることもありえます。
※ちなみに、プロアクティブ・オキュパント・プロテクションというのは名前だけ聞いてもなんだかわからないですが、事故が起きそうになると即座にシートベルトのテンションを高め、同時にウインドーを閉じてくれます。それによって万が一の事故が起きた際に、各エアバッグが最大限の効力を発揮できるよう備えるという機能です。
アルテオンが価格に見合う価値があるかは微妙
アルテオンとパサートの価格差と燃費を比べてみましょう。下記はいずれも最下グレードです。
- 車両本体価格
- アルテオン: ¥5,490,000~
- パサート: ¥3,339,000~
- 燃費
- アルテオン: 13.3km/L
- パサート: 20.4km/L
価格だけをみるとアルテオンがかなり高いですね。200万円近い差があります。
問題は、アルテオンにこれだけの価格差に見合う価値があるかどうかです。パサートの上位グレードを比較すると、アルテオンはもろに食い合うライバル車となります。
最下グレードを比較した場合、パサートの装備はやや物足りなく感じます。ファブリックシートで、安全装備はアラウンドビューや駐車支援システムが最下グレードでは付いていません。
一方、アルテオンはすべて標準装備なのでオプションで付ける必要はなく、いわば”全部のせ”の車です。
そのため、アルテオンとパサートを比較するのであれば、内外装の良し悪しも含めてパサートの上位グレード(Passat 2.0TSI R-Lineなど)を比べるべきです。
なお、値引き額については、アルテオンは人気車とはいえない立ち位置なので大きく狙える車種です。
少なくても30万円、オプション値引きも含めれば60万円は十分にありえます。
結論:アルテオンとパサートはデザインの好みで決めればOK
アルテオンとパサートを同じ価格帯で並べた場合、内外装や性能はどちらもほぼ同じ水準となります。
明確にちがうのは、エンジンの最高出力くらいです。
そのため、アルテオンとパサートは自分の好きなデザインで選べばOKという結論になります。
水平基調のより強いパサートか、フロントグリルが洗練されているアルテオンか。
あるいはリア部の曲線が長いクーペ型が好きならアルテオンですね。一方、よりセダンっぽさを求めるならパサートでしょう。
わたしはアルテオンのフロントグリルが非常に好みなので、アルテオンを選びます。